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負託の行方―県内民主独占【上】公約実現、責任重く

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個人演説会で民主党のマニフェストを説明する3区の黒岩宇洋氏。有権者と交わした約束を守れるか=8月28日、新潟市北区の早通南保育園

 県民は民主党政権を選択した。30日の衆院選の県内小選挙区では、自民党に1議席も与えず民主党が全勝という結果となり、歴史の転換点に立った。民主のマニフェスト(政権公約)が生活の羅針盤となる。ただ、その実効性は未知数だ。政権党となったが県議会では少数派の民主、対して政権を失ったものの県議会議席の過半数を握る自民。そして自民推薦で再選したが、民主寄りがいわれる泉田裕彦知事。それぞれの思惑がぶつかる中、県政界のパワーバランスはどうなっていくのか。先の見えない激動期の「負託の行方」を探った。

 「一体これからどうなるんだ」。民主党への政権交代が決まった衆院選から一夜明けた31日。新潟市中央区の信濃川ほとりに立つ県庁では、苦笑いと困惑の入り交じった表情を浮かべる県職員の姿があちらこちらでみられた。
 折から迎える県議会9月定例会。2日に提出する県補正予算案は、国が景気対策として成立させた補正予算を前提に組まれた。間もなく政権を握る民主は、その補正予算の一部を執行停止し、組み替えようとしている。
 「地方が使えるお金の自由度が高まることを期待したいが、今はどうなっていくか見守るしかない」。県幹部の一人は新政権への複雑な思いを口にした。

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 民主が有権者と約束したマニフェストでは、税金の無駄遣いをなくし、予算を一から組み立て直すと主張している。その上で年金制度改革や子ども手当の創設、農業の戸別所得補償などに最優先で予算を充てると訴え、県民の大きな支持を得た。
 「財源は明確でない」-。対する自民党は声高に批判したが、民主に吹く「風」の前に共感は広がらなかった。
 財源問題という「弱み」は民主の候補自身、よく知っていた。それだけに、3区で勝ち上がった黒岩宇洋氏は選挙期間中、「最重要政策には予算を最初に回す」と繰り返し説明。
 4区で3選を果たした菊田真紀子氏も街頭などで「無駄遣いがないか一つ一つ検証しながら政策を実現していく」と強調し続けた。
 本音が漏れたこともある。マニフェストでうたう年金一元化や高速道路無料化の具体的な方策を演説会で質問された黒岩氏はこう語った。
 「ダイナミックな政策なので、準備を始めてからさまざまな議論が出てくることは否めない」
 その言葉からは、実現力を訴えつつも、具現化への険しさが透けて見えた。
 政策実現の工程を分かりやすく示し、県民の期待に確実に応えていけるのか。2区で勝利した鷲尾英一郎氏は街頭で声を張り上げた。「マニフェストを達成できなかったら、この次の選挙でまた政権交代が起こる。その怖さを知っているからこそ、約束を必死で守ります」

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 全6小選挙区の議席を独占した30日の夜、喜びを爆発させた県内の民主候補。だが、有権者と結んだ約束の重みを受け止め「ここからが始まり」「おごってはならない」と神妙な言葉も並んだ。
 同じ日の夜、新潟市中央区の民主県連事務所。全国で民主の議席が続々と増えていく報を聞くにつれ、県連幹部の表情は逆に硬くなっていった。「県民に対する責任が重くなってきた。どんどん重くなってくる」。初めて手にする「政権」を前に、顔から笑みは消えていた。

2009年09月01日

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