十日町市に6年前に移住し、農業を営む佐藤可奈子さん(30)が、内閣府の「女性のチャレンジ賞」を受賞した。限界集落で就農し、農業の6次産業化による販売促進、里山の暮らしや文化を発信する活動など、未来に希望の持てる集落づくりへ向けた一連の取り組みが評価された。

 賞は、男女共同参画社会への機運を高めようと、内閣府が2004年から行っており、起業や地域活動などに挑戦して輝く女性の個人や団体を表彰する。佐藤さんは県内で初めて受賞した。

 香川県出身の佐藤さんは2009年に中越地震の復興ボランティアのため十日町市の池谷集落を訪れ、次第に集落の人と自然に魅了されていった。立教大(東京)の卒業を機に、2011年に移住した。

内閣府の「女性のチャレンジ賞」に輝いた佐藤可奈子さん=十日町市

 集落で佐藤さんは、コメやサツマイモづくりに励む中で里山の伝統的な暮らしぶりも伝えていこうとしている。

 また、女性向けの農作業着をデザイナーと協働して開発したり、サツマイモを干し芋に加工して販売したりと、活動の幅は広い。十日町市、津南町の若手農家とともに結成したグループでは、カタログギフト形式のムック本を販売し、農家と消費者をつないでいる。

 2014年に結婚し、2015年には長女が誕生した。現在は子育てと両立しながら、活動を続ける。首都圏の若い女性から移住や就農の相談を受けることもあり、実際に移住する人も出てきた。

 佐藤さんは「多くの人に背中を押してもらって活動してきたので私一人の賞ではない。多様な働き方、居場所がある社会になってほしい」と話した。