出しっ放しのおもちゃや絵本、玄関に散らばった運動靴...。小さな子どもがいると、家の中が散らかりがちになる。親も子もストレスなく過ごすには、子どもの成長に合わせて「片付く仕組み」をつくることが大切だ。整理収納アドバイザーで整理収納教育士の資格を持つ高橋薫さん(39)=新潟市西区=に、仕組みづくりのこつを聞いた。

 高橋さんには、小学生から短大生まで3人の娘がいる。子育ての経験を生かし、親子向けの片付けセミナーを新潟市内で開いている。「親が『片付けなさい!』と叱ると、子どもは楽しくない。遊びの中で片付けられる方法を伝えましょう」と話す。

写真/高橋薫さん
高橋薫さん

 ポイントは、成長に合わせて収納方法を工夫すること。例えば、簡単な分類ができるようになった1~3歳の子どもには、かごを使った「色分け収納」がお勧めだという。あまり細かくせず、「お兄ちゃんは黄色」「妹はピンク」などざっくりと分けるのがこつだ。

写真/色付きのかごを使った収納の例。持ち主やおもちゃの種類ごとに色を決めることで、小さな子どもにも「使った物を戻す場所」が分かりやすくなる
色付きのかごを使った収納の例。持ち主やおもちゃの種類ごとに色を決めることで、小さな子どもにも「使った物を戻す場所」が分かりやすくなる

 「親のまねをしたがる時期なので、周囲の大人が楽しそうに片付けていると、子どもも自然と一緒にやるようになります」と高橋さん。

 3歳以上になると、より細かい分類ができるようになる。就学前の子どもの収納方法として高橋さんが勧めるのは、絵や写真で片付ける場所を示す「ラベリング」だ。持ち物の"住所"を決めて、使ったら戻すことを習慣にする。

写真/おもちゃのラベリングの例。種類ごとにかごを用意し、手前に写真や絵を張っておく。字が読めない子どもでも、写真や絵なら一目で戻す場所を理解できる
おもちゃのラベリングの例。種類ごとにかごを用意し、手前に写真や絵を張っておく。字が読めない子どもでも、写真や絵なら一目で戻す場所を理解できる

 ラベリングは、片付けだけでなくしつけにも役立つ。高橋さんが実践していたのが、子どもに靴をそろえる習慣を付けてもらうための運動靴のラベリング。「きちんとそろえて戻すことで、物を大切にする気持ちも育つと思います」と話す。

写真/画用紙を子どもの靴の形に切り抜き、汚れ防止のビニール袋に入れて玄関の床に張っておく。脱いだ靴をそろえて戻す習慣が付きやすい(写真はいずれも高橋さん提供)
画用紙を子どもの靴の形に切り抜き、汚れ防止のビニール袋に入れて玄関の床に張っておく。脱いだ靴をそろえて戻す習慣が付きやすい(写真はいずれも高橋さん提供)

 小学生になると、教科書や文房具など持ち物がぐっと増える。子ども用の収納コーナーをつくり、ランドセルを置く場所や教科書を並べる場所をラベリングするなどして決めておく。学校で配布されるプリントは、「帰ってきたらテーブルの上に置く」「冷蔵庫の扉に張る」など各家庭で定位置を決めておくといい。

 お小遣いをもらうようになると、子どもが自分で漫画や雑貨を買う機会も増える。高橋さんは「小学生になったら、持ち物の管理は基本的に子どもに任せましょう」と強調する。

 収納スペースからあふれそうになったら、子どもが自分で要不要を判断し、残す物を決めるようにする。「片付けは、必要な物を選ぶための訓練のひとつ。判断する力を育てることで、子どもの自立につながると思います」