<変わる景色> 新潟市街の俯瞰(ふかん)図。2007年に完成した作品で、新潟日報メディアシップは描かれていなかったが、今回の展覧会開幕後、1週間の作業で加えられた

 館内に一歩足を踏み入れるとそこはカラフルな光と影で満たされた夢の空間。訪れた人はたちまち童話の世界へ引き込まれる。

 日本を代表する影絵作家・藤城清治さんの展覧会「藤城清治 光のメルヘン展」(新潟日報社など主催)が、新潟市秋葉区の新津美術館で開かれている。

 初期の油絵から、この展覧会のために今年4月6日に完成させたばかりの最新作まで200点以上を展示。こびとや動物たちが登場するメルヘンの世界、日本各地や新潟の風景、東日本大震災の被災地、さらにはキリスト教の聖人の生涯と、さまざまな世界がきらびやかな色彩で表現されている。

 

【動画】藤城清冶さん、作品への思い語る

新たに2作品 テーマは「新潟」

 展示に「新潟を描く」というコーナーがある。その中に、今回の展覧会直前の4月6日に完成したばかりの新作2作品を見ることができる。藤城さんが今年3月に来県し、実際の風景をスケッチして作ったものだ。一つは長岡市寺泊野積の風景を描いた「夕日 恋物語のブランコ」。この場所は2002年に「夕日のブランコ」という作品のモチーフとして描かれている。「前の作品はイメージで作ったから、今度は実景に即したものを描こうと思った」と藤城さんは語る。中央にゆれるピンクのブランコ、その両脇には「幸せを呼ぶ鐘」と展望台。美しい寺泊の夕景と、ブランコをこぐ2人の世界に心が和む。

 もう一つ、藤城さんが新たに描いたのは弥彦神社。訪れた日はあいにくの雨模様だったが、約2時間にわたり拝殿や背景の弥彦山をスケッチした。完成した新作「彌彦神社」は、藤城作品をイメージさせるメルヘンチックな影絵とは異なり、神社と周囲の景観、スケッチ当日の風雨の様子がそのまま描かれている。弥彦神社の荘厳な雰囲気を醸し出している作品だ。また長岡花火を題材にした「フェニックス」も5月4日から新たに展示に加わった。

新たな新潟

「新潟を描く」コーナーの写真左から「弥彦神社」(弥彦村)と「夕日 恋物語のブランコ」(長岡市寺泊野積)の2作品は新作。4月6日に完成したばかり

床に揺らめく光 プロジェクションマッピング

 新潟県では3回目の開催となる今回の展覧会。藤城さん自身が作品のレイアウトから見せ方までを考案した。床にプロジェクションマッピングを導入したり、ひもをひっぱると動物やこびとがユーモラスに動く絵を展示したり。随所に楽しい仕掛けが光る。光と影が織りなす夢の世界を存分に楽しんでほしい。会期は6月4日まで。

【左】揺らめく光

床に映し出されたプロジェクションマッピング。子どもたちは「水たまりみたい」とそっとのぞき込んでいた

【右】無限の世界

水と鏡を利用し、無限に続くようなメルヘンの世界を演出した作品。「うわあー、どこまで続くんだろう」と、子どもたちが不思議そうに眺めていた

藤城清治 光のメルヘン展

  • 会場:新潟市新津美術館
  • 会期:6月4日(日)まで
  • 開館時間:午前10時~午後5時(観覧券販売は午後4時30分まで)
  • 休館日:月曜(5月29日は開館)
  • 観覧料:一般1400円、大学生・高校生800円、中学生以下無料
  • 詳しくはこちら