新潟日報カルチャースクール

きょうみの扉(メディアシップ教室講師紹介)

『版画』

渡辺欣次さん

刷り上がりを眺め、受講生にアドバイスする渡辺欣次さん(右)

山好き90歳創作意欲

 「木はもう少し彫った方がいいね」。棚田を描写した受講生の作品が刷り上がると、講師の渡辺欣次さん(90)が全体のバランスを見て穏やかな口調で指導した。
 別の受講生がアヤメをデッサンした下絵を見せて助言を求めると、「花びらは深く彫ったり、薄く彫ったりし、メリハリを出すように」と優しく説明した。
 教室では春と秋の年2回、県内各地の野山や海に写生に出掛ける。受講生はそこで描いたスケッチや身近な風景を素材に、板紙版や木版に取り組んでいる。
 版画の魅力は、気に入った作品を何枚も刷り、多くの人に見てもらえるところという。受講生には「人まねをせず、自分の感性を大切にしてほしい」と話す。
 敗戦の年、20歳で教職に就いた。版画を始めたのは30歳ごろ。知人から届く年賀状の版画に興味を持ったのがきっかけだった。もともと登山や山スキーが趣味。山頂の雄大な眺望に感激し、描いたスケッチを版画にして美術展への出品や個展の開催を続けてきた。退職後は講師として活躍。山への愛情がにじむ作風に心ひかれ、教室の門をたたいた生徒も多い。
 今でも年4、5回は400~500メートル級の山に登り、スキーも楽しむという。「残雪の山は一番いい」と目を細める。年を重ねても、行動力と創作意欲は衰えない。

2015年7月30日新潟日報夕刊より

受講者の声

片桐千秋さん

「山岳版画家」の先生の作品は素晴らしい。憧れて受講している人ばかりです。同じ題材でも一人一人の個性が表れ、出来上がりが違うところが興味深く、勉強になりますね。仲間同士で刺激し合いながら、作品づくりに励んでいます。

相田八郎さん

先生に版画を習い、10年ほど。自然の風景を題材にしています。アドバイスはいつも的確ですね。直す部分も指摘してくださいますが、いいところを優しくほめてくれるので、直しも苦にならず、楽しく創作しています。

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