新潟日報カルチャースクール

きょうみの扉(メディアシップ教室講師紹介)

『手縫い革細工』

椎谷一繁さん

革細工作りを手ほどきする椎谷一繁さん(左)

革細工の作品

感動するほどの完成度を

 「ほら、手を抜かない。商品になるレベルの物を作ろうや」。講師の椎谷一繁さん(54)が冗談めかしてアドバイスすると、「じゃあ、1万円で売りますか」と受講生が切り返し、教室は笑いに包まれた。
 講座では椎谷さんが用意した型紙を基に皮を裁断し、接着したり縫い合わせたりする。初回は硬貨が1枚入る小さな入れ物を作る。次は小銭入れ、カード入れ、長財布、カバン…。完成までに小銭入れで講座2、3回分、大作だと半年以上かかるという。
 受講生になった時期や作業のスピードが異なるため、受講生4人はそれぞれ別の工程を行っている。椎谷さんは一人一人に目を配り、アドバイスする。黙々と手を動かす受講生に積極的に話し掛ける。「暗い雰囲気が嫌いでね。気軽に質問してほしいから、くだらない話ばかりしてるんだ」。椎谷さんは豪快に笑う。
 今春までの約25年間、バスの運転手として働いていた。革製品好きが高じて個性ある物を持ちたくなり、仕事の傍ら教室に通った。自らの工房を開き、指導も行うようになった。ランドセルをバッグなどにリメークする取り組みが好評で、全国から注文が舞い込む。
 「完成品を見て感動してほしいというのが俺の原点。講座でも、店頭に並べて恥ずかしくない革細工を教えていくよ」と話した。

2015年9月3日新潟日報夕刊より

受講者の声

大江洋子さん

革製品が好きで、自分でも作りたくて昨年7月から通っています。先生がバスの運転手の仕事をしながら、革製品にも情熱を燃やしていたと聞いて、パワフルで魅力的な人だと感じました。

吉沢周衛さん

先生とは会社の同期。作ってもらったベルトや小銭入れにとても愛着が湧き、教室を開くと聞いて迷わず申し込みました。特に縫う作業が好きです。次第に形になっていく様子がうれしい。

バックナンバー