新潟日報カルチャースクール

きょうみの扉(メディアシップ教室講師紹介)

『戸塚刺しゅう』

青木千枝子さん

受講生にアドバイスする青木千枝子さん(右)

多彩な色柄感性に合わせ

 色とりどりの糸を生地に一針一針刺していく。下絵に沿って縫い進めると、草花や幾何学模様など立体的な図柄が現れた。「もう少し濃い色の糸が映えるんじゃない?」「ここは盛り上がって見える別のステッチ(縫い方)がいいわね」-。講師の青木千枝子さん(72)が受講生に語り掛けた。
 ヨーロッパの刺しゅうを土台に、独自のアレンジを加えた「戸塚刺しゅう」。使う色糸は500種類以上。ステッチの種類も多く、輪郭などの直線で使う「アウトライン・ステッチ」、編むような「チェーン・ステッチ」など、基本的なものでも約20種類ある。「糸とステッチの組み合わせは無限。その人の感性が出ます」と青木さんは話す。
 作品はポケットティッシュケースのような小さなものから、のれんやついたてなど大きなものも。大作は1年以上掛けて製作することもある。
 青木さんは42年前に戸塚刺しゅうに出合い、38年前に講師となった。初心者には基本的な技術から丁寧に教え、中級者以上にはデザインに応じてどのステッチ、どの色糸を使うかなどをアドバイスしている。
 月3回開講する教室に30~90代の女性約10人が通う。談笑しながら手を動かしていた。青木さんは「刺しゅうは奥が深い。生涯続けられる趣味」と勧めている。

2015年12月17日新潟日報夕刊より

受講者の声

若井妙子さん

刺しゅうを習って約35年。友達に誘われて始めたが、どんどんのめり込んだ。毎日1回は針を持っている。どこでも、少しの時間でもできるのが刺しゅうの魅力。1年以上掛けて完成させた大きなタペストリーもある。細かい作業に目がついていく限り続けたい。

山田良子さん

昔から裁縫が好きだったが、しっかり習いたいと思い、10年ほど前から教室に通っている。糸をきれいにそろえたり、曲線を表現したりすることは難しい。でも、そんな苦労も面白い。何より刺しゅうはきれいで、作品ができた時の達成感は何物にも代えがたい。

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