新潟日報カルチャースクール

きょうみの扉(メディアシップ教室講師紹介)

『金工工芸彫金』

田公哲夫さん、美知子さん

銅板のたたき方をアドバイスする田公哲夫さん(左から2人目)と美知子さん(右)夫妻

受講生の金工工芸彫金作品

打つほどに個性がにじむ

 カンカン。銅板をたたく大きな音が教室に鳴り響く。受講生たちは一心に金づちを振り下ろす。下絵に沿って工具のタガネを打ち付けると、模様が徐々にくっきりと現れてきた。
 受講生の作業を見ながら、講師の田公(たきみ)美知子さん(65)が「力加減に気を付けてね」と優しくアドバイスする。同じく講師で夫の哲夫さん(72)とともに、夫妻で編み出した田公式と呼ばれる彫金は、銅板に赤や銀などのさまざまな色を表現できるのが特徴だ。
 30年ほど前、鎚起(ついき)銅器メーカーの玉川堂(燕市)の彫金職人だった哲夫さんが独立。仕事を支えるため、美知子さんも彫金の技術を覚え、燕市の教養講座などで教えるようになった。大まかな指導は美知子さんが担当し、難しい技術は哲夫さんが教える。
 教室では、皿や色紙大の壁飾りなどを作る。一般家庭では難しい金工工芸彫金を、多くの人が楽しめるように工夫して教えている。
 受講生にはデザインや銅板を打つ作業をしてもらう。火や薬品を使う着色作業は、夫妻が自宅に持ち帰って行う。作品を預けた受講生は「どんな色になるか待ち遠しい」と話した。
 美知子さんは「不器用だからできないと思わなくても大丈夫。個性が出て面白い作品ができますよ」と呼び掛けた。

2016年4月28日新潟日報夕刊より

受講者の声

五十嵐芳夫さん

金工工芸の個展を見学し、自分もやってみたくて習い始めた。先生の教え方が分かりやすい。10年以上習い、個展を開くほどになった。雑念があると真っすぐ打てなくなるので、集中して取り組んでいる。精神修業にもなる。

黒井富美子さん

ハロウィーンやクリスマスなど、季節の行事に合わせて自分でデザインを考えるのが楽しい。香炉や皿など、作ったものは飾るだけでなく実際に使うと愛着が湧く。銅を打つ感触が気持ちよく、ストレス解消にもなりますよ。

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