新潟日報カルチャースクール

きょうみの扉(メディアシップ教室講師紹介)

『“黒い眼”の観た明治の新潟』

杉山巌さん

実際の史料を紹介しながら講義を進める杉山巌さん(左から2人目)

史料から地域の歴史探る

 明治時代に清国公使の随員として本県を訪れた清国人・王治本は新潟滞在中に漢詩集など2冊を出版した。その2冊を手掛かりに、講師の杉山巌さん(39)と受講生は港町・新潟の明治の姿に思いをはせる。
 講義には当時の新聞や関連の文書など、杉山さんが収集した史料も持ち込む。受講生に手に取ってもらうことで「当時に思いをはせるきっかけにしてほしい」との考えからだ。
 もともと歴史に関心があり、今は東京大の史料編纂(へんさん)所に勤める。特に文書や石碑など今も残る史料を通して、過去を考えることを大切にする。「過去を知る手掛かりが現代まで残っている。それらの史料が今ここにある理由を考えることで、過去の人の暮らしを読み解ける」と、史料から歴史を学ぶ面白さを熱く語った。
 講義では王治本による漢詩と漢文の書物を読み解く。漢詩を知らない受講生にも分かるように、読み方のこつを丁寧に説明する。「漢詩の講義ではないので、内容に興味を持ってもらえれば十分」
 新潟港や白山公園、花街など、外国人の目に新潟はどう映ったのか。受講生と一緒にひもといていくつもりだ。「なぜ、この本が書かれたのかを考えるだけで面白い。歴史の史料を読むことは謎解きと同じ。一緒に楽しみたい」と話す。

2016年6月16日新潟日報夕刊より

受講者の声

服部クミ子さん

先生は話が上手でいつも楽しく参加している。昔の新潟のことに関心があり、実物を見るなどいろいろな角度から学べるのが面白い。漢詩はなじみがなく難しいが、優しく教えてもらえている。和やかな雰囲気の中で学べている。

高見由光さん

地域の歴史を知りたいと思って受講した。講義は先生の深い知識と、実物の史料を見ながら学べる点が魅力。博物館などでは史料に触ることができないが、この講義では実際に手に取ることができる。貴重な機会だと思う。

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