新潟日報カルチャースクール

きょうみの扉(メディアシップ教室講師紹介)

『かな書道2(初心者)』

樋口志保さん

受講者の作品を順番に添削し、細かく指導する樋口志保さん

添削に使う筆や硯など

楽しく厳しく魅力伝える

 細く繊細な文字が、流れるように連なる。講師の樋口志保さん(66)は、迷いなく朱墨で直しを入れていく。「筆の向きは変えちゃだめ」「この『み』はいい感じ」。率直な評に、受講者から「へえー」「すごい」などと小さなつぶやきが漏れる。
 この日は課題作品の添削の日。松尾芭蕉の俳句と百人一首の和歌だ。受講者は自分の作品を持って講師の机を囲み、一人ずつ順番に筆遣いや文字の形の指導を受ける。「他の人の番でもしっかり聞いていてくださいね」。その言葉を受け、全員が一つの作品に注目する。
 講座では、課題を出して書き方を解説し、次回以降の講座で合評会と添削を行っている。受講者は課題を自宅に持ち帰り、合評会までに作品を書き上げて持ち寄る。樋口さんは「評価されることがモチベーションになるはず」と話す。
 樋口さんは幼い頃に母の影響で書を始め、大学でかな書道に出合った。自宅の塾などで40年以上書道を教え、創作にも励んできた。
 「平仮名は画数が少なく字形が単純な分、形にこだわって変化を出せる。墨をする感触や紙選び、短歌や俳句も味わえる」とかな書道の魅力を語る。作品指導に妥協はしない。「楽しく、時に厳しく、かな書道特有の面白さを伝えていきたい」と話した。

2016年7月21日新潟日報夕刊より

受講者の声

那須野由利子さん

実用書道の教室で出会った樋口先生の美しい字にみせられて、先生の専門のかな書道に移りました。技術的に細かく指導してくださるので、頑張ろうと思えます。百人一首を全て書き終えるまで続けて、やさしい字が書けるようになりたいです。

板谷よみ子さん

字が下手なのが嫌で、書道を始めました。余白をきれいに使えるように、自分で文字の配置やレイアウトを決めています。形が決まるまでが苦しい半面、それが楽しさでもあります。細い線の流れを楽しみたい。先生の指導は厳しいけれど、愛情も感じます。

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