新潟日報カルチャースクール

きょうみの扉(メディアシップ教室講師紹介)

『映画サロン』

福島市男さん

受講生に映画解説を行う福島市男さん(中央)

名作幅広くじっくり解説

 小津安二郎監督初のカラー映画「彼岸花」が上映された教室に、講師の福島市男さん(81)の優しい声が響く。「小津映画の魅力の一つは美術。さまざまな場面に赤い小道具が出てきます」と鑑賞のポイントを話す。受講生は「赤いとっくりがありました」「赤いやかんもありますね」と次々に赤い小道具を見つけていく。
 福島さんが「赤い小道具を使うのは、赤が好きだった小津のこだわりです」と解説すると、受講生は納得の様子だった。
 講座は2時間。毎回作品を鑑賞し、解説を行う。国内外の古典的名作から、近年の話題作まで取り上げる。ストーリーの解説はもちろん、小道具や音楽に込めた監督の意図なども紹介する。
 福島さんは元新潟日報社記者。学芸部時代に先輩の勧めで県内の映画愛好家でつくる「新潟映画研究会」に入会した。1本の映画を深く味わい尽くす会員の姿勢に刺激を受けた。現在も同会で映画を批評し合う。
 「映画に生きる力をもらった」と福島さんは言う。つらいことがあると、映画の登場人物が試練から立ち上がる姿を思い浮かべ、「頑張らなくては」と自らを奮い立たせてきた。「時代背景や人生観など、映画はさまざまな角度から味わえる。受講生にも感じてほしい」と話した。

2016年9月8日新潟日報夕刊より

受講者の声

五十嵐葉子さん

前から映画に興味があったので、退職を機に受講した。最近の話題作はもちろん古典作品も見る。白黒の映画はこれまで関心がなかったが、講義で何回か見る中で、当時の空気感や考え方などを楽しめるようになった。

藤井真夫さん

映画に関心はなかったが、元々交流があった先生に誘われて受講した。画面の配色や小道具にも監督の意図があると知り、映画をいろいろな角度から味わう楽しさに気付いた。80歳を過ぎても新たにのめり込めるものができてうれしい。

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