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映画「のみとり侍」は長岡藩士 村上出身・鶴橋監督が見どころ語る

2018/05/14

 村上市(旧荒川町)出身の鶴橋康夫監督(78)の最新作、映画「のみとり侍」が18日、公開される。新潟市出身の作家小松重男の短編小説集「蚤(のみ)とり侍」が原作で越後長岡藩士が主人公。理不尽な理由で突然左遷されたエリート武士が江戸の町民らと助け合いたくましく生きる「愛と笑いの痛快人間喜劇」だ。作品について監督に聞いた。
 「この作品を撮るのが夢だった」と言う。30年ほど前、小説を読み、長岡や新発田など本県が舞台で親近感を覚えたのに加え、こんな武士がいたのかと驚き、滑稽に見えながら懸命に生きる様に引き込まれた。
 特に「のみとり屋」というネコののみ取りをしながら、実は女性に添い寝をし、愛をささげる裏稼業があったことに関心を抱いた。
 40代、大阪のテレビ局でドラマの演出をしていたころから、次作はこれをしたいと何度もスタッフに話したという。テレビドラマでは無理だったが、一昨年監督をした映画「後妻業の女」の大ヒットを受け、東宝のプロデューサーに切り出し、ようやく実現した。
 中間管理職の悲哀は現代にも通じる。「禍福はあざなえる縄のごとし。いいことも悪いことも起きる。だからこそ人間は一人では生きていけない」と作品に込めた思いを語った。
 藩主に直言したため「のみとり侍になってぶざまに暮らせ」と江戸藩邸を追われた主人公・小林寛之進を阿部寛が演じる。「これ以上うまい人はいない。最後まで破綻なくいい藩士をやってくれた」と称賛した。
 亡き妻とそっくりの客に寺島しのぶ、友人となる元商人に豊川悦司、世話を焼くのみ取り屋の親分夫妻に風間杜夫、大竹しのぶといった鶴橋作品の常連が出演。桂文枝演じる田沼意次が時代背景を上手に物語る。斎藤工、前田敦子といった若手も絡み、侍が江戸の浮世で本物の愛と人情に出会う様子を描いた。
 「役者さんは本当に快くやってくれ、一人で生きるどころかみんなに助けられた」と振り返った。
 見どころについて「ある男の1カ月半、ひと夏のできごとを体感できるような映画になっている」とした上で「音楽を聴くように、あんまり考えずに見てもらえば」「エンドマークが出て暗闇になった時に何かしらハッとしてくれればいい」と語った。
 作品では藩主、藩士ともずっこけた様子に描かれているが「結果はオーライなんです。長岡藩は立派な藩。ぼくにとってはあこがれです」と付け加えた。
 故郷への思いは強い。「あと何本撮れるか分からないけど、長岡まで来た」と村上市や関川村を舞台にした作品に意欲を示す。丸山健二の小説「眠れ、悪(あ)しき子よ」や、自身と父、祖父との鮮烈に覚えている日常の一コマが念頭にある。
 幼友だちや亡き父母がどう見るかが気になるという。「またばかなことやってと言うか。人生、一人では生きていけないという康夫さんらしい考え方だねと言ってもらえるか。今その瀬戸際ですかね」

→作品公式ページ

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