新潟日報の原発長期企画

本社の長期連載「原発は必要か」を掲載した紙面

本紙原発報道に奨励賞
早稲田ジャーナリズム大賞発表

 早稲田大は27日、「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」の大賞2作品、奨励賞2作品を発表した。公共奉仕部門の奨励賞に新潟日報社原発問題取材班の長期連載「原発は必要か」を核とする関連報道が選ばれた...

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2016/10/28

原発は必要か
2015~16年

経済への効果限定的

 原発は本当に必要なのか。誰のために柏崎刈羽原発を再稼働するのか。根本的な疑問を軸に、地域経済への影響や事故後の福島県の現実を検証した。各国が導入を進める風力などの再生可能エネルギーを取材すると、再エネは原発をしのぐ電源に成長しつつあり、再稼働を進める日本は世界の流れに逆行していた。

 柏崎刈羽地域の100社への聞き取り調査で、67社が原発停止による売り上げへの影響はないと回答。建設から約40年の統計を分析すると地元への経済効果は限定的で、柏崎刈羽原発の再稼働は東電の経営再建以外の理由が見当たらなかった。福島県の農業は再生途上。被害が長期に及ぶ原発事故は極めて重大だ。

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再考 原子力
2013~15年

事故リスクは地方に

 危険と隣り合わせの原発から発電された電気が大都市圏に送られる。事故のリスクを負う立地県から、原発政策を軸に、地方と中央、国の在り方を考えた。

 原発から出る「核のごみ」の最終処分場は今も建設場所は未定だ。しかし、国会では地方への処分場建設を前提にしたかのような議論がされていた。国会の会議録などを基に、当事者に取材を重ねた。

 原発の安全性確保にも影響する地震研究にも地域格差があった。政府が関与する研究では、日本海側が後回しにされてきた。太平洋側は地震の発生頻度が高いという理由からだ。大都市圏と人口が少ない地域の住民の命に軽重はあるのか。疑問が膨らんだ。

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原発危機
2011~13年

電源地の役割固定化

 原発の「安全神話」が崩壊した東京電力福島第1原発事故。本県は福島事故前から2002年に発覚した東電トラブル隠し、中越沖地震などを経験し、新潟日報社は原発や原子力行政の問題点を指摘してきた。改革が進まなかった背景や、柏崎刈羽原発での安全対策を再点検した。

 原発を推進する経済産業省から規制機関を分離独立させることは、福島事故前から本県などが求めていた。経産省内には組織維持を図る強い抵抗があった。

 本県と福島県は大正期以来、水力発電で首都圏への送電を続けた。大都市圏の電源地としての役割が固定化していく歴史を追った。原発建設で両県は大きなリスクを負った。

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揺らぐ安全神話 柏崎刈羽原発
2007~10年

用地の売却益政界へ

 柏崎刈羽原発は2007年の中越沖地震で、設計時の想定を大幅に上回る揺れに襲われた。軟弱地盤の柏崎刈羽地域になぜ、原発が建設されたのか。原発と地震に関する問題点を多角的に検証したシリーズの原点だ。

 設置を認めた安全審査は適正に行われたのか。当事者の証言を基に審査の実態をあぶり出した。原発という難解な科学技術を扱う裁判では、行政追認となる司法の姿を記した。

 田中角栄元首相の地元秘書だった故本間幸一氏は、原発用地の売却益約4億円を目白の田中邸に運んだことを初めて認めた。原発建設をめぐる「カネ」は、中央政界にも流れたことをうかがわせる証言だった。

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