全国高等学校野球選手権新潟大会2010

決勝

新潟明訓、3年ぶり6度目甲子園

日本文理の連覇阻む

 第92回全国高校野球選手権新潟大会は28日、ハードオフ・エコスタジアムで決勝を行い、新潟明訓が3年ぶり6度目の夏の甲子園出場を決めた。
 新潟明訓は、全員安打となる14安打で11点を挙げた。初回、1点を先制されたが、裏の攻撃で田村昌大、柄沢槙の連続長短打で2点を挙げて逆転。二回にも山本英晶の適時打などで2点を加えた。五回に再逆転を許したが、リリーフした神田健太が踏ん張り、その裏に4連続長短打などで6点を奪い、試合を決めた。
 連覇を狙った日本文理は、準決勝で完封した田村勇磨を二回途中から投入。五回に逆転に成功したが、失策が重なるなどして失点し、リズムに乗れなかった。
 新潟明訓は本県代表として、8月7日に開幕する全国高校野球選手権大会に出場。組み合わせ抽選会は4日に行われる。

ハードオフ・エコスタジアム 29安打乱打戦、明訓打ち勝つ

  • 日本文理 6-11 新潟明訓試合終了

 【評】両チーム合わせ29安打の乱打戦。中盤、敵失に乗じて畳みかけた新潟明訓が制した。
 新潟明訓は五回に3失点し逆転を許したが、その裏1死満塁から敵失で2者が生還し、再逆転に成功。さらに重盗と間藤、神田健、山本の連続適時打で6点を挙げた。
 先発の池田は制球に苦しむ場面が多く、五回途中5失点で降板したが、神田健が好救援。六回以降、1失点に抑えた。
 日本文理は先発長谷川が二回途中で降板。2番手田村は五回、守備の乱れから崩れた。打線は初回に笹川の適時打で先制。2点を追う五回は、秋山の中前打などで3点を挙げ逆転する粘りを見せたが、及ばなかった。

日本文理-新潟明訓

1 2 3 4 5 6 7 8 9
日本文理 1 1 0 0 3 0 0 1 0 6
新潟明訓 2 2 0 0 6 0 1 0 × 11
日本文理バッテリー:長谷川、田村、高橋洸ー高橋準
新潟明訓バッテリー:池田、神田健ー間藤
逆境から成長、試合のヤマ場制す

 ウイニングボールとなるフライを遊撃手の田村昌大がつかむ。両ひざを曲げ、のけぞるようにガッツポーズ。「勝ったぞ」。主将は心の中で叫んだ。春夏を通じて6回の甲子園を経験している佐藤和也監督も「いままでで一番うれしい一日」と感無量の表情だった。
 昨夏のメンバーが多く残りながら、苦しい1年だった。新チームになりまもなく、チーム内に新型インフルエンザが流行。練習が十分にできず、昨秋は準々決勝で敗れた。センバツ出場も期待された戦力だっただけにショックは大きかった。
 罹患(りかん)した柄沢槙は「朝起きたらだめで、『行けない』とメールを送った。そのあと全員がそろったが、練習不足だった」と振り返る。無事だった西山尚志も「みんなに会えなくなり、いろんな面で苦しかった」と話す。それだけに「こういう形で報われてうれしい」と最高の笑顔で語った。
 五回に逆転される苦しい展開だったが、逆境を知るナインは強かった。敵失に乗じて再逆転すると、漆原大夢と伊藤豪が変則ダブルスチールを決め、流れを引き寄せた。
 「3年生を中心に甲子園に行ってやる、という気持ちが強かった。苦しい思いがいま生きている」。苦難を乗り越え、たくましく成長したナインが晴れ舞台の活躍を誓った。

▽「文理らしさ」見せた15安打
 誤算続きだった。連覇を阻まれた日本文理。5失策など守備の乱れから主導権を渡し11失点。相手を上回る15安打を放ち、「つなぐ打線」の意地を随所に見せたが、勝利には届かなかった。
 先発長谷川智久の不調で後手に回った。休養十分に登板したが、緊張から「力が入って抜け球になり、狙ったところにいかなかった」。初回、先頭打者に死球を与え、その後も制球が定まらず二回途中降板。「五、六回まで踏ん張ってもらえればと思った」と大井道夫監督は残念がった。
 準決勝までの5試合で3失策だった守備も崩れ、2番手田村勇磨をもり立てられなかった。逆転した五回、立て続けに内野ゴロの処理を誤り1死満塁とされ、二塁手の野口竜義が打球をはじいた。「一番うまい子。暑さの影響があったのかも」と大井監督。2者が生還、再び試合をひっくり返され、その後も重盗や連打などで試合を決定づける4点を失った。
 強力打線をひっさげ、甲子園で県勢初の準優勝を果たした昨夏から一転、秋と春は県大会決勝にも進めなかった。だが「昨年は昨年。つなぐ野球だけは忘れず、自分たちのカラーを出そうと思った」と4安打と気を吐いた阿部元。悔しさを糧に決勝へたどり着いた。
 15安打の打線に「うちらしいじゃない」と大井監督。「何かと昨年のチームと比較され、苦しかったと思う。よくここまでこれたし、よく頑張った」と最後はナインの成長をたたえた。

▽「気迫で投げた」新潟明訓・神田
 背番号11が躍動した。五回二死一、二塁。新潟明訓は4―5と逆転され、マウンドに神田健太が上がった。「気持ちで絶対に負けたくなかった。気迫で投げた」。後続を内角の直球で二塁ゴロに打ち取り、相手の勢いを止めた。
 主戦池田駿との2枚看板だが、今大会は2試合で10回2/3しか登板機会がなかった。準決勝で池田が167球投げたため、いつでも代われるように初回から肩をつくり、出番を待った。
 ライバルでもある池田から「頼む」と任された。八回に1点を失ったが、最後まで投げ切り、強力打線を5安打1失点。自信のある直球で攻め、「腕が振れていた」と内容に満足していた。
 打撃でも2安打2打点と活躍。七回には1死一塁から貴重な適時二塁打を放った。「打撃は期待されていないから、逆にリラックスできた」と謙遜(けんそん)するが、佐藤和也監督は「七回の1点は大きかった。あれで守備に集中することができた」とたたえた。
 1年生のころから夢見ていた甲子園。神田健は「大勢の観客の前で気迫の投球を見せたい」と目を輝かせた。

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