家族が感染―自宅待機に賛否両論
新型インフルエンザに同居家族が感染した場合、従業員を自宅待機とする企業が県内でも増えている。会社から医師の証明書を求められる例もあるという。企業側は「家族から感染する可能性が高く、リスク管理として当然」とするが、医療関係者からは「過剰反応」との声も上がっている。
「症状がなくても仕事中に突然発熱する恐れもある」。そう説明する新潟信用金庫(新潟市中央区)ではこれまでに、家族が感染した従業員2人を特別休暇扱いとした。ある地方銀行でも、自己申告により一定期間の自宅待機を命じている。
不特定多数の客と接する機会が多い百貨店でも感染拡大に注意を払う。三越新潟店(同)は今月上旬、子どもが感染した従業員ら3人を自宅待機とした。「本人、家族とも医師が問題ないと判断した段階で出勤を認める」と話す。ただ、別の百貨店では、家族が感染しても出勤前の検温で問題がなければ勤務を認めている。
集団感染で学級閉鎖した学校の生徒に「来ないように案内している」という学習塾も。大半の塾は、生徒や保護者の判断に任せているが、NSG教育研究会は小針中学校(同市西区)の学年閉鎖などを受け、小針校で9月の授業開始を遅らせている。
一方、医療関係者からは「敏感になりすぎ」との指摘も出ている。「子どもが治ったという証明書を出さないと出社できない会社もある」と、これまで約20人分の証明書を書いたという同市内の開業医(45)は「会社が社員を休ませる医学的根拠はない。通常のインフルエンザならあり得ない」と首をかしげる。新潟大大学院医歯学総合研究科の鈴木宏教授(国際感染医学)は「問題なのは本人の症状。形式的に子どもの証明書を提出しても意味がない」と指摘している。
労務行政研究所(東京都)が7月末から8月初旬に全国の約4千社(360社回答)を対象に行った調査では、従業員の家族に感染が確認された場合の対応として「原則、自宅待機」とする企業が34%、従業員千人以上の企業では41%に上った。
県は新型の発生初期、感染者の家族らに原則1週間の自宅待機を呼び掛けていたが、7月下旬からそうした対応を取っていない。山崎理・県健康対策課長は「企業や個人の責任と正しい判断に委ねている」と話している。
2009年09月11日
