備えよう新型インフル、初期対応が鍵
新型インフルエンザの集団感染が小中学校、高齢者施設で静かに、じわじわと広がりつつある。収容人数が多く、閉鎖された空間では「素早い初期対応」が拡大防止の鍵を握る。26日からはトキめき新潟国体。室内競技も少なくなく、事務局は選手や観客の感染防止に注意を払っている。
同国体開・閉会式で最多の選手、観客が集まる新潟市中央区の東北電力ビッグスワンスタジアム(荒天時は新潟テルサ)。県は集団感染防止に向け、マスク5万5千枚と消毒液950本を確保した。マスクは希望者に配り、消毒液は階段の手すり付近や関係者控室などに置いて、小まめに手の指を消毒するよう促す。各競技会場でもそれぞれの市町村が消毒液、マスクを手配する。
最大の予防策は、感染者を会場に出入りさせないこと。大会事務局では、選手には体調管理に十分留意してもらい、体調不調の際は各監督の判断で出場の可否を決めてもらうとし、観客には「熱があるなど具合の悪い人は、残念だが、観戦を避けてほしい」と話す。
夏休み後の学校で広がる集団感染は、13日までの1週間で21件166人に達した。このうち児童・生徒の10%が感染、欠席して学級閉鎖したのは延べ209件。これから予想されるピークに備え、各校は屋外授業後や食事前などに手洗いとうがいを徹底するよう呼び掛けている。
新潟市西区の東青山小は、児童に「ハッピーバースデー」の歌を歌う間、流水で手を洗うように指導する。15秒以上、手首までしっかり洗うのが望ましく、曲の長さが低学年の児童にちょうどいい目安になっている。
一方、高齢者施設。感染すれば重症化しやすい慢性疾患のある利用者が多いだけに、入念な対策を講じている。
新潟市を中心に、デイサービスなどを運営する「はあとふるあたご」は、独自のマニュアルを作成。利用者の問診や体温測定などを徹底、テーブルや手すりを殺菌作用の強い次亜塩素酸ナトリウム希釈液で1日数回ふくなどして感染防止に努めている。
特別養護老人ホームなどの入所系施設では、季節性インフルエンザの警戒マニュアルを基にする施設が多い。同市西区の特養ホームは「感染の疑いのある人は居室からなるべく出ないようにする」「面会者やボランティアの人に感染の疑いがある場合は訪問を遠慮してもらう」などの注意項目を強化した。
県はデイサービスなどの通所系施設で、利用者の10%が感染した時点で営業を自粛するよう求めている。ただデイサービスなどは毎日利用者の顔ぶれが変わる。一斉休業が必ずしも効果的とはいえず、県福祉保健課は「一部の事業だけ休むなど柔軟な対応が必要。迷った場合は保健所や県の施設所管課と相談してほしい」としている。
高齢者にとっても、子どもにとっても、集団感染予防ポイントは、何よりも感染した人を周囲に広めないこと。佐渡総合病院の岡崎実(みのる)医師(50)は「熱がなくても、体調が悪い人は出歩かないこと」と警告。特に学級・学年閉鎖になった子どもは“自分は元気だ”と外出してしまいがちだが、「見た目では分からないほどの軽い症状で、感染している場合もある。流行情報には敏感になって、なるべく家にいてほしい」と呼び掛けている
2009年09月22日
