新型インフル 流行本格化 対策どうする

看病は?備蓄は? イオン飲料たっぷりと

「自らの」身守る」が基本

 今年春にメキシコなどで出現した新型インフルエンザが、冬に向かう北半球で本格的に流行し始めた。日本でも患者数が大幅に増加、報告数が全国平均で警報レベルを超える事態となっている。ほとんどの人は感染しても軽症で治っている。しかし妊婦や慢性疾患のある人、幼児などは重症になる恐れがあるほか、健康な人でも重症になることがある。新型に加えて、季節性インフルエンザも流行する可能性がある。わたしたちはどう立ち向かえばいいのだろうか。

東京医科大・松本教授
感染防止に「マスク、うがい、手洗い」を呼び掛ける松本哲哉教授

手洗い15秒以上 うがい小まめに

新型インフルエンザ対策で教室に消毒液を置いている新潟市の小針中学校=10月26日
新型インフルエンザ対策で教室に消毒液を置いている新潟市の小針中学校=10月26日

 新型インフルエンザは普通の季節性インフルエンザとどう違うのか。わたしたちの取るべき対策は何か。感染症対策に詳しい東京医科大微生物学講座の松本哲哉主任教授に最新の情報を聞いた。

 「国内のデータを基に考えると、今のところ、新型インフルエンザの病原性は季節性インフルエンザとほとんど同じとみられます。しかし、これは感染者が少ない段階での見方。これまで国内で死者があまり出なかったのは、重症化するリスクの高い人に感染が広がらなかったからです」

 厚生労働省の推計では、患者数は年内に人口の2割、2500万人に達するともみられている。

 「誰も新型に対する免疫を持っていないのでもっと多くなる可能性はある。そうなるとリスクの高い人たちが相当数含まれることになり、死亡率は季節性よりも高くなるかもしれない」

 通常の社会生活を送る人ならいつ感染してもおかしくない状況。どうすれば感染を防げるのか。

 「まず外出を減らせる人は、減らす。電車の車内や職場、学校の教室など密閉された空間で、感染した人と一緒にある程度の時間を過ごすときには、マスク、うがい、手洗いでウイルスから身を守ることが基本です」

 手を洗うときは15秒以上かけて丁寧に洗い、うがいは帰宅時のほか、外出先でも小まめにする。

 ワクチン接種は重症化を防ぐために重要だ。

 「季節性と新型の二つのワクチンがあり、可能なら両方を接種した方がいい。しかし季節性のワクチンの供給量は昨年の3分の2しかないので、受けられない人が出てくる」

 そのため東京医大病院では季節性のワクチンについてもリスクの高い人を優先する方針という。

 新型のワクチンは医療従事者への接種が始まり、11月に入って妊婦と持病のある人、その次に小児、年明けには高齢者という順番で接種が進む。

 「接種後、免疫獲得まで2週間以上かかる。迷って接種が遅れると流行に間に合わない。リスクの高い人はかかりつけの医師に相談し、早めに接種する必要があります」

 輸入ワクチンは国内で臨床試験(治験)中で副作用の程度がはっきりしない。「心配な人は情報を見極めて判断する必要があるかもしれません」

 かかったかな、と思ったらどうすればいいのだろう。医療機関はインフルエンザ患者であふれることが予想されるので、受診すること自体が感染リスクになりかねない。

 「重症化するリスクが低い人の場合、微熱や少しだるい程度なら、無理に受診せず、自宅で様子を見た方がいい。インフルエンザは風邪と違い、高い熱、強い寒けや倦怠(けんたい)感、筋肉や関節の痛みが特徴的です。抗インフルエンザ薬のタミフルやリレンザはそうした症状が出てから48時間以内に服用しないと、有効性がない。処方してほしい場合は、症状が出て2日以内に受診してください」

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