ミッドナイト・バス 思いを乗せて 出演者に聞く

 本県を舞台に、バラバラになった家族の絆の再生を描く映画「ミッドナイト・バス」(竹下昌男監督)。インタビュー連載「思いを乗せて」出演者編では、新たな人生を踏み出そうともがく登場人物たちを個性豊かに演じる俳優陣の思いに迫る。

 

主人公・高宮利一役 原田泰造さん 父親の存在感再発見

「最初のロケ地だった三条市では、雪景色に圧倒された」と話す原田泰造さん

 「ミッドナイト・バス」は親子の再生と再出発、親離れ子離れ、恋愛-。いろいろなものが絡み合ったストーリー。台本を読み、「リイチ(主人公の愛称)はこういう男」と頭で理解すると同時に、自分はこういうときどうだろうって、「俺」が出てくる。それをすりあわせて役をつくった。

 リイチは不器用で、優しくて、お父さんで。ちゃんとしてるんだけど、生きるのが下手くそな人でもある。男と父親の顔の両方を持っているから、演じていていろいろなことを考えた。

 子どものころ、「父親って何のためにいるんだろう」と思っていた。お母さんはいなきゃいけない、でもお父さんは元気だったら家にいなくてもいいんじゃないかと。父親が厳しかったからかもしれない。でも映画の中で、「男親は扇の要だ」というせりふがある。子どもだった自分も、父親のことをどこかでそう思っていたことに、せりふを言いながら気が付いた。

 家族にはいろいろな形がある。寄り添える時に寄り添って、巣立つ時には巣立っていくのが理想。全員がそうできるわけじゃないけど、それでも互いのことを思い合えたらすてきだなって、映画を見て思ってもらえたらうれしい。

 撮影で、高速バスを実際に運転したのは貴重な経験だった。免許を取りに行ったときは「(撮影場面は)ちょっとだけなんじゃねえかなあ」と半信半疑だったけど、がっつり撮ったからね。関越道は最初すごく緊張した。それがだんだん、本当に自分がリイチになって、普段からこの道を走っているような感覚になれた。横に乗った新潟交通の人が、褒めるのがうまいんだよ。それでがんばれた。

 新潟ロケでは萬代橋がかっこよくて印象的だった。佐渡ではハードスケジュールで、観光したい所はいっぱいあるのにできなかったんだよ。最後の日、ばーっと広がる海を見て、悔しくて、また来ようって思った。次はゆっくり、きれいな場所を見て回りたい。

 

来年1月、県内先行上映

 映画は新潟日報社が創業140年記念事業としてストラーダフィルムズ(東京)と共同製作している。来年1月に県内で先行上映後、全国公開の予定。

 主人公の高宮利一は長距離深夜バスの運転手。16年前に離婚し、成人した息子怜司と娘彩菜がいる。乗務の合間に、東京に住む恋人古井志穂と会う生活を送る。

 ある日、運転する夜行バスに別れた妻・加賀美雪が乗車してきた。父の介護のために東京と新潟を行き来していた美雪。久々の再会をきっかけに、バラバラになっていた家族が次第に絆を取り戻していく。

 

<はらだ・たいぞう> 1970年生まれ、東京都出身。93年にお笑いトリオ「ネプチューン」を結成。NHK大河ドラマ「龍馬伝」、NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」、映画「神様のカルテ」シリーズや「ボクの妻と結婚して下さい。」などに出演。10月には出演の映画「アウトレイジ 最終章」が公開される。

主人公の元妻・加賀美雪役 山本未來さん

主人公の恋人・古井志穂役 小西真奈美さん

主人公の娘・高宮彩菜役 葵わかなさん

主人公の息子・高宮怜司役 七瀬公さん

主人公の元妻の父親・山辺敬三役 長塚京三さん

彩菜の恋人の父・大島達也役 遠山俊也さん(新潟市出身)

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