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どこでも起こり得る離岸流に注意

 17日は海の日。海水浴のシーズンだ。夏の思い出をつくる機会が待っている一方で、気をつけないと海は牙をむく。県内でも今月、死亡事故が発生した。水の事故の原因はさまざまだが、「いつのまにか」「知らないうち」に沖に運ばれ、危険な状況に陥るのが離岸流だ。もし流されたら一番の大敵は慌ててしまうこと。あらかじめ離岸流を知ることで危険を少しでも減らしたい。
 第9管区海上保安本部(新潟市)のまとめで、2001~16年に県内で離岸流が原因と思われる人身事故に遭ったのは78人(うち死亡・行方不明19人)。
 離岸流の恐ろしさは、目立った強風や高波が周囲になくても、背が立つような場所からいつのまにか沖に流されてしまうところだ。
 岸に向かう波は、水深が浅くなると砕ける(砕波)。波は次々と打ち寄せ、たまった海水は流れやすい所を探して沖に戻ろうとする。海岸の地形などによって流れが集中する所ができ、沖に出る“通り道”となったのが離岸流だ。
 海底の傾斜が緩やかな砂浜海岸や、突堤などの構造物の付近で発生しやすいとされる。
 長岡技術科学大の犬飼直之助教(海岸工学)は「離岸流は波で起きる海浜流の一種。波が起これば、どこの海岸でも起こり得る」と、特定の場所で発生する現象ではないと説く。どこにどんな離岸流ができるかは波の高さや方向、地形などによる。
 9管と長岡技科大は毎年、海水浴シーズンを前に離岸流調査を行っているが、発生の有無を含め、流れの向き、速さなどは同じ日でも時間によって変わる。
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 離岸流の怖さを説明する場合によく使われるのが「流れの速さは毎秒2メートルに達することがあり、五輪選手でも流れに逆らって進めない」という表現だ。
 競泳男子100メートル自由形の世界記録を秒速に換算すると毎秒約2・1メートル。仮に毎秒2メートルの速さの離岸流に真っ向から逆らって泳げば、世界記録保持者でも10秒間で約1メートルしか進まない。
 「波高が大きくなるほど流れも速くなる。毎秒2メートルほどの速さになるのは波高が2メートルほどの場合」(犬飼助教)と、これはそもそも遊泳に適さない状況だが、この半分の毎秒1メートルの流速でも十分危険だ。25メートルを25秒で泳ぐ泳力では流れに逆らって前に進めない。
 毎秒30センチであっても、例えば浮輪の子どもと遊んでいて手を離し、10秒間よそ見をしたら、3メートル向こうに流されて手が届かない状況が想定できる。
 流されていないか、自分がいる位置を常に確認し、子どもが一緒なら決して目を離してはいけない。
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 もし、離岸流に流されてしまったら-。流れに逆らって泳いではいけない。体力が奪われるだけで岸にたどりつけない危険がある。
 9管は「落ち着いて、まず浮くこと」と呼び掛ける。離岸流の幅は10~30メートルほど。脱出方法として「海岸と平行に泳いでいったん離岸流から逃れる。その後、岸に向かって」と強調する。
 泳ぎに不安があれば浮くことに専念し、救助を求める。離岸流の長さは数十~数百メートルだが、岸から離れると流速は弱まる。
 いざというときにパニックを起こさないためにはどうすればいいか-。新潟青山ライフセービングクラブ代表の阿部啓一さん(50)は「流された時に『これが離岸流か』と状況が分かれば落ち着くことができる。海に入る前に、海の知識を身に付けておくことが大切だ」と語った。

2017/07/15

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