佐渡市でトキ10羽が25日午前、試験放鳥された。トキが佐渡の空を飛ぶのは1981年の一斉捕獲以来27年ぶり。トキは同市新穂正明寺の水田で木箱から放たれると、翼を羽ばたかせて舞い上がり、旋回したあと飛び去った。
放鳥された10羽は雄、雌5羽ずつ。同所の佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションでの飛行や採餌の訓練、健康状態を基準に選ばれた。
式典には秋篠宮ご夫妻が出席。まず秋篠宮ご夫妻が2羽のつがいを空に放たれた。会場に集まった観客は薄紅の翼を広げたトキに歓声を上げた。
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| 最祖に大空に放たれたトキ。トキ色の翼を広げて飛び立つ姿を、放鳥した秋篠宮ご夫妻らが笑顔で見送った=08年9月25日午前10時30分すぎ、佐渡市新穂正明寺 |
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| 「トキよはばたけ!佐渡から世界の大空へ」と書いた横断幕を掲げる畑野小学校の児童たち=25日午前10時ごろ、佐渡市新穂正明寺 |
淡いトキ色の羽をゆったりと広げ、十羽のトキは果てしなく続く大空を高く、遠く、飛んだ。25日、最後の国産トキ生息地、佐渡市で行われたトキの試験放鳥。「飛んだ、飛んだ」。観客は声を上げ、優雅な飛翔(ひしょう)にいつまでも見とれた。「もう一度トキを大空に」。多くの人々の願いがかなった。
午前10時半。最初に二つの木箱が開かれた。つがいの2羽はその瞬間、緊張したのか、すぐには飛び立とうとせず、背中をそっと押されてようやく大空へ。1羽は目の前の田んぼの上を1分ほど旋回し、もう1羽は弧を描きながら左へ飛んだ。
残りの8羽は箱が開くとすぐに羽ばたき、群れることなく思い思いの方角に散らばった。約3分間、初めて目にする田んぼや山、林を見下ろすように舞う。さえぎるもののない自然界で力強く、伸び伸びと飛んだ。
会場周辺には早朝から、双眼鏡を持った地元住民ら約1650人が詰め掛けた。木箱が開き、トキが大空に向かって飛び立つと拍手と歓声が上がり、シャッター音が響いた。数羽のトキが住民が見守る林の方向に低空で近づいてくると、ひときわ歓声が大きくなった。
同市新穂瓜生屋の無職、藍原幸子さん(60)は「あんなにきれいだとは思わなかった」と感激した様子。望遠鏡でのぞいていた同市両津夷の主婦、野田幸子さん(70)は「トキ色が良かった。とても幸せな気持ちになった」と笑顔だった。
佐渡トキ保護センターの獣医師、和食(わじき)雄一さん(30)は「きょうは自分の誕生日なのでいいプレゼントをもらった。私たちにとってはお祝いの日だが、トキにとっては試練の1日目。元気で大空を飛んでほしい」と感慨深そうに話していた
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