
餌を吐き戻す行動を始めたペアのトキ。巣から何かを捨てる様子が確認された=18日午前10時ごろ、佐渡市
放鳥トキ、ふ化の可能性も
環境省、見極め慎重
佐渡市で放鳥され産卵したトキのうち、卵がふ化の時期を迎えていたペアが、餌を吐き戻すような行動をしていることを18日までに、新潟大の研究者が観察。ひなに給餌をしている可能性があると指摘した。環境省もこれまでに同様の動きを確認しているが、慎重に見極めるため、モニタリング(生態観察)を続けている。
新潟大学超域研究機構朱鷺(とき)プロジェクトの永田尚志准教授らが17日、巣の周辺で吐き戻した餌でのどを膨らませるような動きを観察した。永田准教授は「親鳥がひなに餌を与えるための行動ではないか」とみている。
環境省も16日から同じ動きを確認。その際、くちばしは閉じたままだったという。
しかし、飼育下では親鳥が口を大きく開け、ひながその中に入るようにして餌をついばむことなどから、同省は、観察された動きは「餌を与えている様子ではないと考えられる」としている。
このペアは日ごろからくちばしを差し入れて巣を修繕する様子が見られるといい、「これまでの行動と変わらないように見える」とも述べた。
また環境省は18日午前、このペアが巣から何かを捨てる様子を確認したと発表した。ふ化していた場合、卵の殻を捨てた可能性もあるが、同省は「何を捨てたかは分からない」としている。
このペアはいずれも4歳の雄と雌。4月18日から交代で巣に残って卵を温めるしぐさが観察されており、今月15日以降、ふ化が始まるとみられていた。
同省佐渡自然保護官事務所の笹渕紘平・自然保護官は「ふ化したかどうか、巣から何を捨てたのかなど、確認を急ぎたい」と話した。
ふ化すれば、野生でひなが誕生するのは1976年に旧両津市で確認されて以来、34年ぶりとなる。
同市では今回繁殖したペアのほかにもう1組でも、卵を温める様子が確認されており、順調なら5月下旬にもふ化する。