東京五輪の体操女子団体総合決勝。平均台の演技を終え涙ぐむ村上茉愛選手=有明体操競技場
東京五輪の体操女子団体総合決勝。平均台の演技を終え涙ぐむ村上茉愛選手=有明体操競技場

 今週は、新型ウイルス禍による新しい生活の中で、私たちが失いかけている脳への刺激についてお話しします。新型ウイルス禍でもたらされたニューノーマルといえば、マスク生活、パーティション、アルコール消毒、ソーシャルディスタンス、リモート会議などが代表的なこととして挙げられます。

 例えば、マスク生活では、鼻呼吸がうまくいかず十分な酸素が吸えないことが常態化すると、疲れやすくなり、動きたくなくなります。運動不足で、部屋にこもりがちになります。ここで問題なのは、本人は疲れて行動半径が狭くなっていることに気がつきにくいということです。

 これは、酸素不足によって、脳の働きが低下するだけではなく、全身の細胞が酸素を必要とすることで、自(おの)ずと酸素を消費しないように行動するためです。酸素不足を意識して、時には、しっかり深呼吸し、日中、脳の元気度を高く保つように心掛けましょう。

 ウイルス禍の中、5年ぶりの開催となった今回のオリンピックでは、テレビ映像を通じて、選手たちの多くの喜びと落胆の表情が伝わってきました。選手たちの悔し涙やうれし涙の理由は当人しかわからないはずなのに、見ている方ももらい涙し、深く感動しました。

 筆者と同じように、もらい涙、共感の涙をした読者も多いと思います。テレビの画面越しの涙、いわば、リモート涙なのに、これまで体験したことのない新鮮な時間をもらった気がしました。

 ニューノーマルに欠けていたのは、リモート越しでも涙するような感情表現をすることだと思います。ウイルス禍によって私たちの感情系脳番地がいつの間にか、かなり抑制されているのです。特に、真面目過ぎる人ほど、自分の行動だけでなく、感情も抑制してしまう傾向があります。

 オリンピック選手たちのように、本気で涙できる日々を送ることが、ニューノーマルには不可欠だと思います。