日本でもヒットした米国映画「フィールド・オブ・ドリームス」(1989年)では、主人公が自身のトウモロコシ畑に野球場を造ってしまう。そこに現れたのは八百長事件で球界を追われ、失意のうちに生涯を終えた名選手だった-

▼そんなファンタジックなストーリーが現実になったような出来事が先日あった。映画のロケ地となったアイオワ州の野球場そばに仮設球場が整備され、大リーグの試合が開催された

▼選手は20世紀初頭のデザインを模したユニホームを着て、映画と同様に外野のトウモロコシ畑から姿を現した。試合は逆転サヨナラ本塁打による劇的な決着だった

▼〈それを造れば彼はやって来る〉。映画の中で夢のような野球場整備に主人公を駆り立てたのはどこからか聞こえてきたこんな言葉だった。新潟でも夢を追う人々がいる。県内に日本野球機構(NPB)の球団を誕生させ、ドーム球場も設置しようと起業家らが動きだした

▼サッカー界では、アルビレックス新潟の人気が沸騰したのは関係者の熱意に加え、W杯誘致やビッグスワンの建設も大きく後押しした。いわば〈スタジアムを造れば熱気がやって来る〉という夢が実現したのである

▼本県を本拠地とする球団を誕生させるには、資金面など相当に高いハードルが存在するはずだ。現時点では夢の域を出ていない。「フィールド-」の主人公は周囲に変人扱いされながらも、真摯(しんし)でいちずな姿勢を貫いた。本県が舞台の夢がかなう未来はやって来るだろうか。