サイトに掲載する法圓寺を取材する丸山雄太郎さん(右)ら=弥彦村矢作
サイトに掲載する法圓寺を取材する丸山雄太郎さん(右)ら=弥彦村矢作

 魅力ある地元の人、もの、ことを村内外に発信したい-。新潟県弥彦村で農業を営む若者が、地元の情報を盛り込んだウェブサイトを立ち上げた。始まったばかりの挑戦だが、小型無人機(ドローン)を駆使した写真や動画など本格的なコンテンツ作りを目指し奮闘中だ。若者ならではの自由な発想と視点で再発見した村の魅力を発信している。

 ウェブサイト「yahikofun(ヤヒコファン)」を立ち上げたのは、井田地区で枝豆などを栽培する丸山雄太郎さん(27)。昨年5月の開設当初は農業を中心とした内容を検討していた。

 「例えば種がないブドウってどうやって作るのか。農家にとっては当たり前だが、消費者が知らないことを発信することで、弥彦の農業を発信しようと思った」と語る。行政のサイトで同様のものはあったが、更新頻度が少ないなど課題を感じていた。

 農業の将来への懸念もあった。「年配の人の中には、自分の代さえ続けられればいいという考えもある。でも僕たち若者にとっては長く続けていくなりわいだ。園芸農業には夢があるということを担い手として伝えたかった」という。

 梅雨時期の枝豆栽培や集荷作業の他、村のブランド米「伊彌彦(いやひこ)米」は収穫と新米レシピをまとめた動画を載せた。村の新規就農者が直面する苦労も定期的に追った。丸山さんは「新規就農はいい部分だけピックアップして紹介することが多いが、実際には苦労もある。新規就農者のリアルを伝えることが、就農希望者には必要だ」と話す。

 ヤヒコファンでは、四季折々の行事や祭りなど観光情報も取り上げるつもりだった。しかし新型コロナウイルスの感染拡大で、取材を予定していたイベントが軒並みキャンセルに。農業だけでは閲覧者の広がりに限界を感じていたこともあり、この機にサイトの大幅リニューアルを決めた。農業を基軸としつつ、工業、福祉、教育などあらゆる分野での取り組みや活躍する人に焦点を当てる。

 7月下旬には、リニューアル後第1弾の取材のため、撮影担当の山崎雄史さん(44)と矢作地区の法圓寺を訪れた。副住職の梨本雄哉さん(32)が、村指定文化財で江戸末期に建立された山門や鐘楼、本堂などを案内。毎月本堂で行っているヨガのイベントも取材した。梨本さんは「寺に歴史があっても、それをどう届けるか課題に感じていた。ツールややり方が大事だ」とした上で「県央を取り上げるサイトは他にもあるが、より地元感があるヤヒコファンは楽しみだ」と期待を寄せる。

 今後は、村で絵本の読み聞かせをしているグループなどへの取材を進めることにしている。丸山さんは「まだまだサイトの認知度が低いので、まずは知ってもらうことが大事だ。これを見て弥彦に行ってみようか、帰ってみようかと思ってもらえればうれしい」と展望している。