感染力の強いインド由来の新型コロナウイルス変異株「デルタ株」が猛威を振るっている。新規感染者の高止まりが続く中、国民の約4割が2回目のワクチン接種を終えた。一方、接種完了後に陽性となる「ブレークスルー感染」の拡大も懸念される。新潟県内の専門家はワクチンの有効性を強調した上で、「2回接種後も気を緩めず、感染対策をしてほしい」と呼び掛けている。

 新潟大医歯学総合病院感染管理部の茂呂(もろ)寛准教授(51)によると、ワクチン接種を2回終え2週間以上たってからウイルスが検出されることを、ブレークスルー感染という。

 厚生労働省の分析では、直近の新規感染者のうち、2回目接種後に感染した人は未接種の人に比べて15分の1以下だった=表参照=。県内では2回ワクチン接種した20代の男性警察官が感染した事例があった。

 ワクチン接種後、時間の経過に伴い、体内にできた抗体の量が減るとブレークスルー感染が発生しやすくなるという見方がある。海外では免疫力を高めるため、3回目の接種を進める国が出てきた。米国は9月20日以降に3回目接種を始める計画だ。

 一方、デルタ株が流行後もワクチンを接種していれば、重症化したり死亡したりする割合は少ない。県が直近1カ月間の入院患者のうち177人を調べたところ、重症化率は未接種が4・1%だったのに対し、1回でも接種した人はゼロだった。

 政府は2回目の接種を急ぐが、ワクチンの供給量が減少したため、思うように進んでいない。県内でも12歳以上で2回目を完了した人は、15日現在で43・5%にとどまっている。

 2回接種後に感染しても無症状のケースがあり、本人が気付かずに感染を広げる可能性もある。茂呂氏は「インフルエンザを含め、もともと(鼻から喉にかけての)上気道から侵入するウイルスをワクチンのみで完全に防ぐのは難しい」とした上で、「感染が拡大している最中は、マスク着用など従来通りの感染対策が必須」と話している。