新潟県内で新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、酸素投与など高度な処置が必要となる中等症患者の増加が続いている。この1カ月で急増し、医療の逼迫(ひっぱく)を防ぐための体制強化が必要な状況になった。花角英世知事は25日の定例記者会見で「通常医療について優先順位を考えざるを得ない場面が出る可能性がある」と述べ、緊急度が低い手術の延期など一定の制限を加えることに理解を求めた。

 県内で酸素投与が必要な新型ウイルスの中等症患者は25日現在で49人に上った。1カ月前(7月25日、3人)と比べ約16倍に急拡大した=グラフ参照=。

 医療機関で中等症患者を受け入れるには、軽症患者よりも多くの医療スタッフが必要になる。県内で新型ウイルス患者向けに確保されている555床の多くは軽症患者を想定しており、中等症患者が増加すると対応できない可能性がある。

 医療の逼迫が懸念される中、県は医療機関に対し、通常医療の病床を減らして新型ウイルスの中等症・重症病床に医療スタッフを集約するよう求めている。受け入れ体制の強化に応じた医療機関には補助金を支給する方針も打ち出した。

 ただ、医療機関が新型ウイルス患者対応のスタッフを増やせば、現在行っている通常医療に影響が出るのは必至だ。花角知事は会見で「通常医療も新型ウイルスの医療も重要だ。互いの協力の中で急ぐものを優先するしかない」とし、県民に対して理解を求めた。

 こうした状況の中、緊急事態宣言に準じた措置が可能となる「まん延防止等重点措置」の本県への適用を県が国に要請するかが焦点になっている。本県の直近の感染状況を厚生労働省の指標に基づいて計算すると、7項目のうち5項目が重点措置適用の目安となるステージ3(感染急増)を超え、一部はステージ4(爆発的感染拡大)の基準に達している。

 花角知事は適用すべきかどうかを国と断続的に協議していると説明。「重点措置の適用には、医療への負荷が非常に重要なポイントになる。県内の重症者数や病床の使用率は深刻な状況の手前にある」と述べ、適用されるぎりぎりの状況だとの認識を示した。