9月に稼働予定のクラフトビール醸造所「トキブルワリー」でサンプル缶を手にする藤原敬弘さん=佐渡市加茂歌代
9月に稼働予定のクラフトビール醸造所「トキブルワリー」でサンプル缶を手にする藤原敬弘さん=佐渡市加茂歌代

 佐渡産クラフトビールの醸造所(ブルワリー)が9月、新潟県佐渡市加茂歌代にオープンする。金北山や佐和田海岸など、島の風景をイメージしたビールを造り、佐渡を発信。醸造所にはビールを飲めるスペースも併設し、観光客の新たな立ち寄りスポットとしても利用を見込んでいる。

 醸造所「トキブルワリー」は、ビアパイント(佐渡市)が運営する。同社は、スマホアプリ事業フラー(新潟市中央区)のCTO(最高技術責任者)藤原敬弘さん(35)が設立した。

 藤原さんはクラフトビール醸造を考えていた際、フラー会長の渋谷修太さんから佐渡には現在ビールの醸造所がないことを聞いた。感染禍で佐渡観光が打撃を受けている状況も踏まえ、醸造所の開設によって島内でクラフトビールを楽しめる環境を整え、観光の復興にも寄与したいと考えた。

 醸造所は、ビールを飲むことができる「タップルーム」と合わせて約130平方メートル。天領盃酒造の敷地内という立地で、佐渡の酒を楽しみたい層への発信力を高める。酒造免許やタンク設置といった準備が整い次第、9月中に醸造を始め、10~11月にはビールを提供する。

 「レシピは常に変えて、一期一会のビールにする」(藤原さん)が、第1弾は佐渡の西海岸(佐和田)、東海岸(両津)をイメージした2種を造る。西海岸は佐渡産小麦を使ったフルーティーな香りが、東海岸はバニラビーンズなどを加えた甘い風味が、それぞれ特徴となる。

 醸造量は、初年度は1万6800リットルを見込み、2年目以降は倍増させる。350ミリリットル缶やたるで販売する。価格は1缶700~800円程度を想定している。

 将来的には、佐渡の農産物を使ったビールも醸造したい考えで、すでに市内の耕作放棄地でビールの原料となるホップの栽培を始めた。藤原さんは「醸造所の名前は、佐渡のシンボルであるトキと、ゆったりと流れる『時』を重ねて付けた。佐渡でしか味わえないビールを造り、醸造所を核としたコミュニティーも育てていきたい」と話している。