県内の多くの学校で夏休みが終わり、授業が再開している。しかし、本当は学校に行きたくないと悩んでいる子どもがいるのではないだろうか。

 またいじめられるかもしれない。勉強についていけない。自分の居場所がない。

 夏休み明けはそうしたつらさに耐えられないと感じる子どもが増えがちだ。

 もしも今、つらい思いを抱えている子がいたら、一人で悩まずに誰かに打ち明けてほしい。

 親やきょうだい、学校や塾の先生、知り合いの大人でもいい。信頼できる人に頼ることは恥ずかしいことではない。

 ただ会員制交流サイト(SNS)の使い方には注意したい。悩みを明かした人が犯罪に巻き込まれ、被害に遭うケースが後を絶たない。よく知らない人の優しい言葉には危険性も潜む。

 新型コロナウイルスの感染が広がって1年半以上がたち、子どもたちの生活環境は大きく変化している。

 感染拡大の影響で親が仕事を無くしたという子もいるだろう。生活が激変し、大人のストレスの矛先が子どもに向かっていないか心配だ。

 家庭の居心地が悪くなり、子どもたちが居場所を失ってはいないだろうか。

 昨年自殺した小中高校生は全国で499人に上り、過去最多となった。昨春の一斉休校で児童生徒の孤立感が深まったことが一因だと、文部科学省の有識者会議は分析している。

 昨年は8月が65人と最多で、9月も55人に上った。自殺は夏休み明け前後に特に多いが、学校再開が精神的な負担になっている可能性があるという。

 児童生徒の自殺は今年も増加傾向にあり、上半期は昨年同期を上回っている。

 子どもの変化を見逃さないように丁寧な目配りが必要だ。

 身近な人に相談できないという子には、24時間つながる子ども向け電話相談窓口がある。

 「新潟いのちの電話」の活動を支える後援会有志が新プロジェクトで開設した特設サイトは「話すことは(悩みを)放すこと」と呼び掛け、子どもたちにも相談窓口を紹介している。

 大人が担うべき家事や育児を任されている「ヤングケアラー」と呼ばれる子どもの存在も注目されるようになり、県は実態調査に乗り出す。

 ヤングケアラーは家庭内の問題を他人に相談してはいけないと考えがちだという。負担を減らすためには周囲が困窮した状況に気付いて声を掛け、公的支援につなげる必要があろう。

 健康面ではやはり、新型ウイルスに気を付けなくてはならない。感染力が強いデルタ株は、うつりにくいとされていた子どもたちの間にも広がった。

 県内の高校や放課後児童クラブなどではクラスター(感染者集団)発生が相次いでいる。

 夏休み明けの学校再開で感染拡大と医療逼迫(ひっぱく)が懸念されると専門家は警告する。

 学校でも感染防止対策の徹底を心掛け、注意を払いたい。