史上最多4400人超の選手がエントリーした東京パラリンピックの開会式=24日、国立競技場
史上最多4400人超の選手がエントリーした東京パラリンピックの開会式=24日、国立競技場

 「祭り」の後が気に掛かる。

 大会直前、パラリンピック出場経験者で作る日本パラリンピアンズ協会(PAJ)が2020年東京大会と、18年の冬季平昌大会の日本代表選手、コーチ・スタッフを対象にした競技環境をテーマにしたアンケート結果を公表した。

 回答者の約7割が前回パラ以前よりも競技環境が「良くなった」と答えた。強化合宿数の増加や、それに伴う個人負担費用の減額などを理由に挙げている。競技生活のため、選手一人あたりの年間個人負担額は、前回16年の調査より36万円少ない112万円。「東京2020」へ向け企業や競技団体などの支援が手厚くなったことがうかがえた。

 一方、10年後のパラリンピアンを取り巻く競技環境を尋ねると、「障がい者スポーツへの理解」「競技用具」「練習施設」は良くなると予想しているが、「競技資金」「国・自治体からの支援」などが悪くなると見ている。選手よりも、コーチ・スタッフが深刻に捉えていた。

 競技レベルが上がるにつれ、義足、車いすなど高額な専用器具が必要となる種目もある。トップを狙うにはカネが必要なのだ。これは五輪競技も同様。取材の中で国内トップ選手が活動資金に苦労している姿を何度も見てきた。選手一人で競技とマネジメントの両立を図るのは年々困難になっていると感じる。

 アスリート採用による企業イメージの向上、特定の選手を対象にしたクラウドファンディング(CF)、競技会のエンターテインメント化…。「2020」を目指しいくつかの試みがなされたが、ウイルス禍で停滞し、議論も二の次となっている。

 アスリートの「成功」についてはさまざまな考え方があると思う。とはいえ、ジリ貧の競技生活では夢がない。「こんなアスリートになってみたい」と思える環境をどう築いていくか。長期的戦略で「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」が流れる取り組みを求めたい。

(報道部・中村茂雄)