魚沼市が名称変更を検討している関越道小出IC(左)と、堀之内ICの降り口を示す関越道の標識(右)
魚沼市が名称変更を検討している関越道小出IC(左)と、堀之内ICの降り口を示す関越道の標識(右)

 新潟県魚沼市内を走る関越道のインターチェンジ(IC)について、市が名称に「魚沼」を入れることを目指している。全国的な知名度がある魚沼ブランドの発信力をさらに高め、分かりやすい表示で誘客促進を図る狙いだ。ただ、変更に伴う費用は市の負担となる見込みで、市民の理解も必要となる。市は2024年度の実現を目標とし、「丁寧に説明していきたい」としている。

 市内には「小出」(1982年開設)と「堀之内」(同95年)の2カ所のICがあり、いずれも合併前の町名が名称となっている。名称変更は県内に前例がなく、全国的にも少ない。

 隣県では2005年に5町村の合併で誕生した長野県安曇野市が、12年10月に長野自動車道の「豊科」ICを「安曇野」に変更した。前年の11年5月に市や県、県警、中日本高速道路、区長会などでつくる協議会を設立。市民アンケートで肯定が7割以上となったことを受けて具体化を進めた。

 安曇野市は観光消費などの経済効果は約10億円と推計。これに対し、看板や標識の変更、広報費など関連経費は1億5千万円だった。担当者は「名称変更後、ICの利用者が前年比で4・5%増えた。市を訪れる方にも案内しやすくなった」と受け止める。

 魚沼市のIC名称変更は昨年12月に就任した内田幹夫市長が市長選の公約として掲げ、動きを本格化させた。市内2カ所のICについて、「魚沼」を含む名称にする方向で検討している。

 内田市長はこれまで市議会本会議の一般質問への答弁などで、発信力の強化による産業振興と交流人口の拡大、市民の一体感の醸成といった効果を期待すると説明。経済効果の算出も行うとした。8月の記者会見でも「車で来る方をお迎えするICとして『ここが魚沼』と分かりやすくしたい」と改めて意欲を示した。

 市長就任後は長岡、南魚沼、小千谷、十日町、湯沢、津南の近隣6市町の首長に直接会い、名称変更を目指すことを説明。「いずれも好意的に受け止めていただいた」とする。

 また魚沼市は事務レベルで、関越道の県内区間を管理する東日本高速道路新潟支社にも説明。今後両者で名称変更の課題点や進め方について協議する予定だ。その後は市民への意向調査や説明会、魚沼地域の各自治体との調整、関係機関による協議会の設立など、必要な手続きは山積する。

 市は市制20年の節目となる2024年度初めの実現を目標とするが、内田市長は「地域への説明が最も大事。『オール魚沼でやろう』と思ってもらえるよう、焦らず丁寧に進めたい」と述べ、市民の理解を得る考えを強調した。