特定地域づくり事業協同組合の設立総会であいさつする粟島浦村の本保建男村長=6日、同村開発総合センター
特定地域づくり事業協同組合の設立総会であいさつする粟島浦村の本保建男村長=6日、同村開発総合センター

 新潟県粟島浦村で6日、マルチワーカーとして地域の若者や移住者らを雇い、村内の複数の事業者に派遣する特定地域づくり事業協同組合の設立総会が開かれた。過疎地で安定した雇用を生み出すために国が昨年度に制度化した組織で、設立は県内初となる。総会で本保建男村長は「季節や月ごと、または午前と午後など需要に応じて、組合職員を派遣する。派遣先を広げ、移住定住につなげていきたい」と述べた。

 過疎地での農林水産業を中心としたなりわいは季節によって繁閑の差が大きく、一つの仕事では十分な収入が得られないケースが多い。若者の都市への流出や、移住者が定着しない要因にもなっている。こうした状況を改善しようと、政府が制定したのが特定地域づくり事業協同組合だ。

 正職員としての雇用により、年金など社会保障が受けられるなどのメリットもある。派遣職員の人件費や運営費には、国や市町村から財政支援を受けられる。

 粟島浦村では、粟島汽船や漁協、観光協会など5団体が発起人となり「粟島浦地域づくり協同組合」を設立した。総会では、事業計画や役員が決められ、代表理事に粟島汽船取締役の神丸正広さん(65)が選出された。事務所は観光協会内に置く。初年度は職員1人を雇用するほか、次年度は地域おこし協力隊の任期を終えた人などを対象にさらに2人の雇用を計画している。

 総会に出席した県の小岩徹郎・知事政策局長は「粟島浦村に魅力的な生活のスタイルができ、移住や担い手の確保につながることを期待している。県内で後に続く動きも出てきてほしい」と話した。