天気によっては佐渡も見渡せる聖ケ鼻。年間を通じて県内外から写真愛好家らが訪れる=柏崎市米山町(本社小型無人機から撮影)
天気によっては佐渡も見渡せる聖ケ鼻。年間を通じて県内外から写真愛好家らが訪れる=柏崎市米山町(本社小型無人機から撮影)

 日本海に突き出した新潟県柏崎市西部にある岬が「聖ケ鼻(ひじりがはな)」だ。標高約50メートルの駐車場では、休日以外でも一眼レフカメラを手にしたカメラマンや、車や自転車で訪れて休憩する人たちの姿がある。

 聖ケ鼻から番神岬までの海岸線約12キロは、日本海の荒波によってつくられた多様な景観を楽しめる。この海岸線のうち、特に美しい八つの景観は「米山福浦八景」と呼ばれている。聖ケ鼻もその一つだ。

 地元米山町の町内会長、中山博迪さん(73)は「聖ケ鼻は米山町随一のビューポイントで地元の宝物です」と胸を張る。

 写真が趣味の中山さんは、地元の自然をテーマに撮影を続けている。聖ケ鼻と夕日を収めた写真は、柏崎市で開かれているイベント「かしわざき風の陣」のポスターにも使われた。

 駐車場の東側は米山福浦八景、西側にはかつて鉢崎関所があり、北国街道の宿場町だった現在の米山町の家並みと、信越線を走行する列車を見渡せる。中山さんは「鉄道や夕日の写真を撮りに来る人をはじめ、年間を通じて週末は県内外から人が訪れる人気の場所」と話す。

 聖ケ鼻では、約500万年前の地層も見ることができる。米山地区コミュニティ振興協議会発行の資料によると、砂岩と泥岩が交互に何層も重なる地層で、中山さんは「市内の子どもたちが地層の学習に訪れる」と語る。

 駐車場には、鉢崎(現在の米山町)出身の幕臣、松田伝十郎(1769~1843年)を顕彰する碑がある。

 松田は樺太(現在のサハリン)が島であることを発見した最初の日本人とされる。松田の後に間宮林蔵が現地を調べ「間宮海峡」と呼ばれるようになった。「カラフトは離島なり」と刻まれた碑は、米山町町内会が建てた。

 美しい風景が見渡せる岬は、柏崎の歴史や自然を学べる貴重な観光スポットでもある。

=随時掲載=

<聖ケ鼻>北陸道米山インターチェンジから国道8号に出て上越市方向へ車で約10分。JR信越線米山駅からは徒歩で約15分。越前から来た泰澄(たいちょう)上人が修行をしていた岬を、土地の人が「聖ケ鼻」と名付けたと伝わる。
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