東京電力柏崎刈羽原発でテロなどを防ぐ核物質防護体制の不備が相次いだ問題で、東電が原子力規制委員会に提出した報告書に関し、新潟県柏崎市の桜井雅浩市長や原発反対派住民は23日、不満を示した。

 市役所で報道陣の取材に応じた桜井市長は「もっともらしい直接原因や深層要因が書かれているが、気持ちが見えない」と述べ、「事故リスクに対する社員の認識不足などが一番の要因ではないか」と指摘した。

 報告書によると、福島第1原発事故後、東電は柏崎刈羽原発で防護設備のリース契約を変更し、2020年度のリース支払額が15年度比で約10分の1に減っていた。桜井市長は、前日の会見で小早川智明社長らがコスト削減が不備の背景となった可能性を再三否定したことに触れ、「コストを意識した部分はあったと思う。会見の場で率直に認めるべきだった」と苦言を呈した。

 東電本社の原子力部門を新潟県内に移転させる方針には「ガバナンスや風通しの悪さを少しは解消できるのでは」と期待した。

 原発に反対する市民団体「柏崎刈羽市民ネットワーク」の竹内英子代表=柏崎市=は、「過去の不祥事の際と同じ原因が書かれており、進歩していない。会見で『最後の機会』などと重い言葉を使っていたが、心に響かない」と語った。

 コスト優先の否定については「経営陣が間違いを認めない限り、東電は変われない」と批判した。