夏の成人式や浴衣でも使える「浴衣振袖」。(右)が振り袖で、(左)が浴衣バージョン
夏の成人式や浴衣でも使える「浴衣振袖」。(右)が振り袖で、(左)が浴衣バージョン

 着物販売店の「武者呉服店」(新潟県村上市)は、夏の成人式でも振り袖姿で出席したい新成人向けに「浴衣振袖」を開発し、来年の予約を開始した。夏でも涼しく着用できるほか、一般的な振り袖と変わらない、きらびやかな見た目がコンセプト。袖の部分は取り外し可能で、式典後は浴衣としても着用できる。1950年創業の同店は新たな成人式の形として、需要拡大に期待を寄せている。

 県内では村上市をはじめ、一部地域では夏に成人式が行われ、同市ではパーティードレスで出席する女性が大部分を占めるという。「夏だから振り袖が着られず残念」という声をよく耳にしていたという同店は、20代前半の女性を対象にアンケートを実施。9割が「夏でも振り袖を着たかった」との回答を寄せたことから、夏用の振り袖の開発に着手した。

 数年前から構想を練り、第1弾として展示用のものが今夏に完成した。生地は綿と麻を組み合わせた「綿麻」にすることで綿100%の浴衣と比べ軽量感や張りを持たせ、涼しい着心地となるよう通気性も高めた。柄も一般的な振り袖姿をイメージし、レトロモダン風のきらびやかなデザインを採用した。

 成人式が終わっても浴衣として利用できるよう、袖の部分は取り外せる。絹が主流の振り袖と異なり、自宅で洗える点や、着崩れのしにくさ、帯がずり落ちないといった強みもある。

 同店によると、通常の振り袖は1着15~30万円ほどと高額な価格帯のほか、着用機会が限られるため、購入よりもレンタルが主流になってきているという。購入してもすぐフリマアプリで出品するケースもあり、一度購入すれば浴衣としても気軽に何度でも着用できる「浴衣振袖」を、新たなトレンドとして打ち出していきたい考えだ。

 展示用の1着は既に売れたため、来夏に向けた受注生産を行っている。店長の武者将由さん(33)は「今までありそうでなかった商品。一度きりでなく、成人式が終わっても長く着用してもらえる」と語る。「夏だから振り袖が着られないと諦めていた人たちに喜んでもらい、最高の思い出をつくってもらいたい」と話している。

 小物や髪飾りなどを含めたプランは8万8千円。デザインや柄などの要望を聞き取ってから製造に取りかかる。成人式後は振り袖や帯などを浴衣用に直し、再納品する。

 問い合わせは同店、0254(66)5038。