東京電力柏崎刈羽原発=本社ヘリから
東京電力柏崎刈羽原発=本社ヘリから

 東京電力柏崎刈羽原発で外部からの侵入を検知する設備が長期間機能していなかった問題で、設備の故障から復旧まで30日以上かかった例が2018年度以降計111件あったことが、東電が設けた第三者委員会の報告書で分かった。同原発でテロ対策が軽視され、ずさんな管理が常態化していた実態があらためて明らかになった。

 弁護士ら第三者による独立検証委員会がまとめた報告書によると、原子力規制庁がことし2~3月に実施した検査で判明した。復旧までの期間は最長で337日かかるケースもあった。

 東電の福島第1、第2原発や他の電力会社が運営する原発の復旧までの期間は明記されていないが、東電などが比較したところ、柏崎刈羽原発だけが突出して長い時間を要していたという。

 復旧までの間、カメラでの監視や作業員による巡視といった代わりの措置が適切に取られておらず、これらが核燃料の移動を禁じる原子力規制委員会の是正措置命令につながった。

 また、他人のIDカードを使って中央制御室に不正に入室した問題に関しては、09年8月~21年1月に他人のIDで周辺防護区域に通じるゲートを通過した例が、さらに12件あったことも分かった。

 原因はいずれもカードの取り違えで、見張りの警備員が目視で確認するゲートは通過したが、生体認証が必要な次のゲートは通過できなかったという。

 警備業務の委託業者が「見張りの警備員による確認は限界がある」として設備の改善を提案したが、東電は予算などを理由に見送った。現在はいずれのゲートにも生体認証が導入されたが、検証委は出入りする際の当時の管理方法について「関係者の意識の著しい低下を誘引した」と指摘している。

 東電は22日、この検証委の指摘も踏まえた改善措置報告書を規制委に提出した。