音楽を直接聞かせて造ったみそ「音で育てたおいしい味奏」と山本幹雄社長=上越市
音楽を直接聞かせて造ったみそ「音で育てたおいしい味奏」と山本幹雄社長=上越市
みその中に設置されたステンレス製スピーカー=上越市

 新潟県上越市の山本味噌(みそ)醸造場は、地元の水中音響機器メーカー「ウエタックス」と連携し、みそに直接音楽を聞かせて熟成させた「音で育てたおいしい味奏(みそう)」を発売した。発酵に適した周波数を組み込んだ上越ゆかりのロックミュージシャンの曲などを約100日間、聞かせ続けた。関係者は「熟成期間が短縮され、まろやかで風味豊かに仕上がった。上越名物の浮き糀(こうじ)みそに関心を持ってもらうきっかけにしたい」と意気込んでいる。

 ウエタックスと市、信州大による産官学連携事業の一環。2019年秋から、山本味噌醸造場の米こうじをたっぷり使った「雪ん子みそ」と同じ材料の中に、塩分に強いステンレス製のスピーカーを設置。さまざまな周波数や音楽をかけて、発酵や味わいへの影響を調査した。

 その結果、低周波と高周波がバランスよく組み合わさり、振動を与えることが、おいしいみそを造ると分かった。通常は6カ月かかる熟成期間が約3カ月に短縮できるメリットもあり、商品化を実現した。

 22日には年末の出荷に向けて、味奏約160キロ分の仕込み作業が行われた。ウエタックスの植木正春専務(44)が、樽(たる)の中ほどまで入れたみその上に、温度センサーを内蔵した厚さ約4センチの円筒形のスピーカーを3台設置。その上に残りのみそをかぶせて、上越ゆかりのロックミュージシャンの曲やピアノ曲を流した。

 「味もよく、発酵も速まるなど、じかに音楽を聞かせる効果がこんなに出るとは思わなかった」と山本味噌醸造場の山本幹雄社長(48)。「旬の食材とともに、みそ汁や鍋物に使って味わってほしい」と勧める。植木専務も「日本酒やしょうゆなどの発酵食品にも応用できる技術。『発酵のまち上越』の認知度向上に役立ててほしい」と語った。

 500グラム入り972円。上越市中央1の山本味噌醸造場の本店と直江津ショッピングセンター・エルマール店、市外では、ぽんしゅ館新潟店と越後湯沢店で販売。問い合わせは山本味噌醸造場、025(543)2283。