朝刊生活面の「ちょっと聞いてよ!?」に投稿された話がほほえましい。20代の人がレジから見た光景だった。年配のご夫婦が会計をする姿を紹介してくれていた

▼おばあちゃんが財布からお金を出す。おじいちゃんはポイントカードを機械に読み込ませる。2人とも少しもたついて…そこでおじいちゃんが一言。「2人でやっと一人前なんだ」。若い投稿者は「理想だなぁ」と書いている

▼確かに最近は支払いのときに気が抜けない。電子マネーが急に広がった昨年あたりからだろうか。画面に触れて支払い方法を選んだり、カードを差し込んだり、かざしたり、方法は店によってまちまちでいつも戸惑う。だから、ご夫婦の共同作業はうらやましい

▼レジ袋が有料化されたことも会計の風景を一変させた。エコバッグを取り出し、買ったものをガチャガチャ放り込んで、せわしない。まごつくことが多いわが身には、結構な関門である

▼さらにもう一手間増えそうだ。プラスチックのスプーンやフォークの使い捨てを減らすため新たなルールが生まれる。来春からは、無料でもらえないことになりそうだ。「スプーンは有料ですが」。レジの人から問われても、老いてきた耳がちゃんと聞き取れるか自信はない

▼冒頭のご夫婦のように、自分が一人前なんだという考えを捨ててみるのもいいかもしれない。半人前だから慌て、迷うこともある。聞き返すこともある。未熟なのだから仕方ない。半人前だと自覚した方が、心がちょっと楽になる。