柏崎刈羽原発
柏崎刈羽原発

 東京電力柏崎刈羽原発でテロなどを防ぐ核物質防護体制の不備が相次いだ問題を巡り、原子力規制委員会の更田豊志委員長は29日の定例記者会見で、東電が22日に提出した報告書を踏まえて今後行う検査について「(完了まで)1年ぐらいはかかる」との感触を示した。同原発は規制委から核燃料の移動を禁じる是正措置命令を出されており、解除されるまで再稼働できない。この解除判断に必要な検査が来年秋までは続く見通しとなった。

 東電は同原発7号機の再稼働を目指しているが、地元に再稼働への理解を求める時期は来年秋以降にずれ込みそうだ。

 会見に先立つ規制委の定例会合では、東電が22日に提出した原因調査の報告書について議論を交わした。規制委は報告書を精査した上で本格的な検査に入る。

 検査には計約2千時間が必要とされる。東電が取り組む改善計画には1年以上を要する項目が含まれており、その実施を確認するまで検査が終わらないケースもあり得るという。

 更田氏は、今後の検査で重視するポイントについて「(東電の改善計画で)本当に現場が良くなるのか。しばらく時間がたったらまた元に戻ったということにならないかを確認していきたい」と述べた。

 問題を受け、東電は今後、核物質防護規定の変更申請を検討している。更田氏は、この問題の検査と核物質防護規定の審査を並行して行うと説明。「検査と審査がどう関連するか、規制委の中で議論する」と述べ、それらの完了時期は明確に見通せないとした。

 東電は報告書で、外部からの侵入を検知する設備の故障を復旧させるのが遅れた要因の一つとして、規制当局に報告した代替措置について当局側から反応がなく、「措置が十分だと思い込んだ」ことを挙げた。

 更田氏は「故障に対して、どう対応するかの一義的な責任は事業者にある」と述べ、当局側の責任には否定的な見方を示した。