吉乃川が定番化した日本酒宅配サービスの「カヨイ」。酒を専用ボトルに詰めて毎月送る=長岡市摂田屋4の酒ミュージアム「醸蔵」
吉乃川が定番化した日本酒宅配サービスの「カヨイ」。酒を専用ボトルに詰めて毎月送る=長岡市摂田屋4の酒ミュージアム「醸蔵」

 酒造会社の吉乃川(新潟県長岡市)が、日本酒の宅配サービス「カヨイ」を本格的に始めた。江戸時代の酒屋の販売方法「通い徳利」をモデルに、一般には流通していないプレミアム酒を顧客のマイボトルに詰め、配送。ボトルを返却すると、再び酒が届けられる仕組みだ。昨年夏の試行で好評だったことを受け、EC(電子商取引)サイトを新設して定番化した。新型コロナウイルス禍で増える「家飲み」の需要を捉え、顧客の拡大につなげたい考えだ。

 カヨイは、江戸時代の酒屋で、客から持ち込まれた徳利に酒を詰める量り売りスタイルが主流だったことに着想を得た。

 利用者は限定酒が入ったシリアルナンバー入りのボトルを購入。飲み終えたボトルを吉乃川に宅配便で返すと、月に1回、新しい酒が送られてくる仕組みだ。

 家でお酒を楽しむシーンに特別感を持たせ、顧客との距離感を縮める取り組みとして、昨年6~8月にクラウドファンディングで試験的に実施した。目標額50万円を1日で達成し、2日間で完売する好評ぶりに手応えを得た。

 今年8月下旬にはECサイトを設け、サービスを始めた。同社の酒ミュージアム「醸蔵(じょうぐら)」では、その場でおかわりをボトル詰めするサービスも行う。

 酒は3カ月ペースで入れ替える予定で、現在は「山田錦 大吟醸原酒」。搾(しぼ)り始めと中盤、終わりの酒をブレンドし、膨らみのある味わいに仕上げた。

 初回の9月発送分には約120人が申し込み、順調な滑り出しだ。峰政祐己社長は「記念日など特別な時に楽しんでもらい、吉乃川の酒が記憶に刻まれるようにしたい」と話す。

 ボトルの容量は720ミリリットルで、金属加工のササゲ工業(長岡市)に特注した。酒の品質を保つため、酒蔵の貯蔵タンクと同じ素材のステンレスを用いた。鉄分の溶解や金属臭の不安が少なく、軽量で耐久性も高いという。

 初回は、ボトルと酒のセットで1万2千円。2回目以降は各5千円。酒が替わると、料金も変わることがある。10月分の申し込みは11日正午まで受け付ける。発送は22日。問い合わせは同社、0258(35)3000。