田畑に出没するイノシシ8頭の様子=9月18日未明、新潟市秋葉区金津(地元の農業男性提供)
田畑に出没するイノシシ8頭の様子=9月18日未明、新潟市秋葉区金津(地元の農業男性提供)
たびたび出没するイノシシの群れによって荒らされた畑=新潟市秋葉区金津

 新潟市秋葉区金津地区で、イノシシの親子の群れが8月中旬から出没し、稲や里芋などの農作物に被害が出ている。市環境政策課によると、同区でこれまで散発的な目撃情報はあったが、群れが確認されたのは初めて。市は定着を防ごうと今月、箱わなを設置した。

 イノシシは親1頭、子7頭で、5月ごろに住民が足跡を確認した。金津地区を通る県道41号の脇道を数百メートル進んだ場所にある田や畑などに出没している。新津丘陵の一部で、周辺には石油の世界館や中野邸記念館などの施設もある。

 田んぼでは、実る前の稲穂が食害され、収量が半分になった場所も。溝を掘り返したり、もみ殻の袋を破ったりなど、被害は一帯の田畑に広がっている。住民は異音が出る機械を設置し、網で畑の周囲を囲むといった対策を取っているが、効果は限定的だ。

 同所で農業を営む男性(71)は、8月中旬から監視カメラを取り付け、9月中旬にはイノシシの子が成長した様子を捉えた。男性は「子が大きくなって独り立ちし、あちこちに散る前の今が、被害を食い止める最後のチャンスだ」と危機感を募らせる。周囲では人的被害を心配する声も出ているという。

 県鳥獣被害対策支援センター(新潟市中央区)によると、イノシシによる県内の農作物被害は年々増加しており、2020年度は7400万円と前年度の2・4倍になった。人的被害も7件9人と、被害がゼロだった前年度から急増している。