収穫期が近づくポポーの実と畑を管理している難波仁一さん=9月、長岡市中永
収穫期が近づくポポーの実と畑を管理している難波仁一さん=9月、長岡市中永
完熟したポポー(右)と、ポポーを加工したもなか(奥)、プリン(左手前)

 新潟県長岡市三島地域の住民グループが、アケビに似た秋が旬の果物「ポポー」の加工品開発に乗り出し、特産化を目指している。来年の商品化を目指し、菓子などの試作を重ねる。ポポーのハウス栽培にも取り組み、生産量を増やすことで、地域ビジネスとして展開。活性化につなげる狙いだ。

 特産化を目指すのは、里山資源の活用を目指す「みしまふるさと塾」。2016年から「ポポーの森をつくろう」というプロジェクトを進めてきた。

 ポポーは北米原産の落葉樹。種は柿に似て「アケビガキ」の和名を持つ。果実は香りが良く、グループの綿貫悟塾長(71)は「バナナとリンゴとマンゴーを足して3で割ったような味。ミネラルが豊富に含まれている」と魅力を語る。

 明治時代に国内に入り、全国各地で庭やあぜ道などに植えられたという。ただ流通、販売ルートが確立するほどの生産量はなく、「幻のフルーツ」といわれている。

 長岡市中永の難波仁一さん(71)はポポーを育てている1人だ。昭和の初めごろに祖父らが畑に数本植えたのに始まり、30年ほど前から減反で空いた土地に苗を植えて増やし、現在は4カ所の畑で計約100本を栽培する。

 ポポーの実は9~10月が収穫期だ。昨年は約200キロが取れ、一部は市内の飲食店に提供したり直売所で販売したりした。住民グループはさらに活用できないかと考え、難波さんらから果実を提供してもらい、プリンやもなか、クッキーなど加工品の試作を続けている。

 ポポーは保存期間が1週間程度と短い。生のまま長期保存できるよう、グループは18年から東京の冷凍メーカーの協力を得て、急速冷凍の技術を研究している。難波さんは「使い道ができて、育てる張り合いが出てきた」と喜ぶ。

 16年から木を増やす取り組みも続ける。ハウスで種から育てた計30本は、高さ約2メートルの成木になった。この9月には、育てた苗88本を三島地域の44世帯に初めて無償提供した。実がなるまで5年以上かかるが、いずれは実を買い取り商品に使う構想を抱く。

 商品は来年にも販売を開始する予定だ。綿貫さんは「里山や住民の力を生かし、持続可能な地域をつくるための手段の一つになる」と期待する。