閉鎖される弥彦地殻変動観測所の坑内を見て回るガイドら=新潟市西蒲区
閉鎖される弥彦地殻変動観測所の坑内を見て回るガイドら=新潟市西蒲区

 新潟市西蒲区間瀬の東京大学地震研究所弥彦地殻変動観測所が、本年度で閉鎖されることになった。地震予知に向けた観測を半世紀余り続けてきたが、近年は衛星利用測位システム(GPS)による観測が主流になり、一定の役割を終えたとしている。

 観測所は1967年、その3年前の新潟地震を受けてつくられた国の第1次地震予知計画の一環として開設された。観測坑の内部は高さ、幅がそれぞれ約2メートル、全長は約150メートル。地面の傾きや伸び縮みを測定する装置、地震計などが置かれた。中越地震や中越沖地震では前兆現象は捉えられなかったが、地震後に地殻変動の貴重なデータが得られたという。

 弥彦を含め、東大地震研は全国に15の観測所を置いている。だが、現在はGPSによる観測が進み、より広い面的な地殻変動観測に移行しつつある。予算も限られる中で、今後の地震研究をより効率的に進めるとして弥彦の閉鎖を決めた。

 弥彦の観測所は99年に無人となり、庁舎は既にない。観測坑と建屋は今後、入り口をふさぐなどして地主に土地を返すという。

 7日には、岩室地区のガイドグループの要望を受け、現地の見学会が開かれた。参加者は研究所職員の案内で洞窟のようになっている坑内を見て回った。「東日本大震災時には強い揺れで装置同士がぶつかり、データが取れなかった」といった職員の説明に耳を傾けた。

 ガイドグループ事務局の女性(71)は「坑内を初めて見られて有意義だった。観測所の歴史も伝えていきたい」と話した。