北朝鮮から帰国し、タラップを降りる拉致被害者。中央が蓮池薫さんと妻祐木子さん。後ろが曽我ひとみさん=2002年10月15日、東京・羽田空港
北朝鮮から帰国し、タラップを降りる拉致被害者。中央が蓮池薫さんと妻祐木子さん。後ろが曽我ひとみさん=2002年10月15日、東京・羽田空港

 新潟県柏崎市の蓮池薫さん(64)、祐木子さん(65)夫妻や佐渡市の曽我ひとみさん(62)ら北朝鮮による拉致被害者5人が、帰国してから15日で19年を迎えた。5人の帰国後は政府による被害者救出が進まず、高齢化が進む家族は「とにかく早く取り返してほしい」と訴える。19日公示、31日投開票の衆院選が迫る中、与野党には論戦を通じ、解決に向けた具体策の提示が求められる。

 2002年9月、初の日朝首脳会談が開かれ、北朝鮮は日本人の拉致を認めて謝罪。10月15日に5人の帰国が実現した。さらに04年の2回目の会談を経て、蓮池さんらの家族の帰国・来日が実現した。

 一方、政府認定の拉致被害者17人のうち、北朝鮮は新潟市の横田めぐみさん=失踪当時(13)=ら8人を「死亡」、曽我さんの母ミヨシさん=同(46)=ら4人を「未入国」とする主張を崩しておらず、1人の帰国も実現していない。

 被害者や家族らは、解決が見通せない現状に懸念を募らせる。新潟産業大准教授の蓮池薫さんは5日、記者団の取材に応じ、「一日も早い拉致問題解決を、といった当たり障りのない表現はもういい。こうするべきだという解決への方針、考え方をぶつけ合ってほしい」と求めた。

 岸田文雄内閣は拉致問題を最重要課題と位置付ける。拉致問題担当相を兼務する松野博一官房長官は14日の記者会見で、「いまだに多くの拉致被害者が北朝鮮に取り残されていることは痛恨の極み。本人も家族も高齢となり、一刻の猶予もない」と述べた。

◆救う会新潟が4か月ぶり署名活動
新潟市で23日

 北朝鮮による拉致被害者とその家族の支援団体「救う会新潟」は23日午後1時~3時、新潟市西区の新潟ふるさと村で署名活動を行う。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、救う会新潟による署名活動は約4カ月ぶり。署名の集まるペースも例年の約10分の1にとどまっている。

 高橋正会長(85)は「関心低下を懸念している。ぜひ多くの方に署名してほしい」と話した。