祈りをささげながら「火渡り神事」に参加する来場者=17日、長岡市竹之高地町
祈りをささげながら「火渡り神事」に参加する来場者=17日、長岡市竹之高地町

 2004年10月23日の中越地震で大きな被害を受けた新潟県長岡市竹之高地町(たけのこうちまち)で、元住民らが17日、集落のにぎわいを取り戻そうと「火渡り神事」を初めて行った。雨の中、集まった幼稚園児からお年寄りまでの約60人は、所々くすぶる灰の上をはだしで歩き、新型コロナウイルス収束などを願った。

 市中心部から車で30分ほどの山あいにある竹之高地町は、地震で家屋が倒壊、全11世帯が集落を離れた。神社「不動社」の建物、境内も崩落した。その後住民1人が戻り、集落を離れた住民も、地域行事や農作業のため集落に通っている。

 神事は、不動社に近く「竹之高地 開祖の地」の石碑が建立する広場で行われた。境内で神事を執り行った後、白装束姿の「先達(せんだつ)」が、スギの葉や木材を積み上げた護摩に点火。読経やほら貝の音が響き渡る中、勢いよく燃え上がった。炎の勢いが衰えると、棒で灰をかきならして道を設けた。

 冷たい雨が降り続く中、参拝者は無病息災などを祈願しながら、次々と渡りきった。町内会長の原正昭さん(62)は「中越地震から17年になる。竹之高地町が癒やし、祈りの場になることを願っている」と話した。

 元住民らは、地震で途絶えた伝統行事「百八灯」の再開や、住民が集まる機会をつくろうと、滝開きを開催するなど集落の活気づくりに取り組んできた。火渡りの神事も、数年前から実施を考えてきたという。

 長岡市から訪れた公務員(44)は「火の道は熱さを感じず歩けた。気持ちがすっきりしました」と充実感に浸っていた。