口にくわえた絵筆で繊細に描かれた水彩画が並ぶ展覧会=新潟市西蒲区
口にくわえた絵筆で繊細に描かれた水彩画が並ぶ展覧会=新潟市西蒲区

 交通事故で障害を負い、口にくわえた絵筆で水彩画を描いている新潟市西蒲区仁箇の岡村佐久一さん(65)の展覧会が、同区の中之口先人館で開かれている。風景や季節の花などを温かみのあるタッチで描いた作品が並び、来館者の目を楽しませている。

 西蒲区文化施設を運営する市民の会が主催した。岡村さんは38歳の時に交通事故で頸椎(けいつい)を骨折し、手足が不自由となった。

 2年6カ月の入院生活中に口にくわえた筆で文字を書き始め、その後絵にも挑戦。絵が好きになり、退院後は自宅で創作を続けてきた。家族に撮影してもらった写真や庭に咲く花などをモチーフに、絵筆を丁寧に口で動かして描いている。

 会場には、入院中に支えてくれた看護師や家族らに感謝の気持ちを込めて仕上げた花の絵をはじめ、弥彦山や田園などを色鮮やかに描写した約50点が並ぶ。

 岡村さんは「家族や多くの人の助けがあって絵が描けること、生きていることに感謝している。見てくれる人の気持ちがほんわりと和むような絵を描いていきたい」と語る。

 鑑賞に訪れた長岡市上の原町の無職男性(78)は「細やかに描かれ驚いた。透き通るようなきれいな絵で、飾っておきたくなる」と話した。

 24日まで。無料。月曜休館。