3年後に開館150周年を迎えるホテルイタリア軒。食の発信や古町地区にある立地を生かしたプランづくりなどを急ぐ=21日、新潟市中央区
3年後に開館150周年を迎えるホテルイタリア軒。食の発信や古町地区にある立地を生かしたプランづくりなどを急ぐ=21日、新潟市中央区
リニューアルしたホテルイタリア軒のウェブサイト。伝統の洋食やホテルの歴史などを前面に出した

 ホテルイタリア軒(新潟市中央区)は、3年後に迫る開館150周年に向け、ブランド再構築に向けた取り組みを加速させている。会員制度などを導入して、代名詞である西洋料理をはじめとした食の発信を強化するほか、オンラインショップも開設。今後は客室などの設備改修も進める予定だ。同ホテルは「イタリア軒の原点に立ち返りつつ、幅広い世代の誘客を図りたい」としている。

 イタリア軒は1874(明治7)年に牛鍋店として創業した後、西洋料理店として発展。1976年、ホテルに業態変更し、2014年にNSGグループ(新潟市中央区)傘下となった。

 開館150周年に向け、和洋中の四つのレストランのメニューなどを見直す。特に伝統の西洋料理では、原点回帰をテーマに、日本で初めて提供したとされるミートソーススパゲティやカレーライス、オムライスといった昔ながらの料理で味の改良を進める。

 9月には新規の個人客の取り込みを目指し、入会金や年会費無料の会員制度を新設した。ホテルで開かれる賞味会などの優待割引が受けられるほか、誕生日や記念日に合わせて、館内レストランで利用できる千円分の利用券が届く。

 8月にリニューアルしたウェブサイトでは、レトルトカレーや焼き菓子などを扱うオンラインショップを開設。クリスマスケーキやおせちといった季節商品もサイトから受け付けられるようにした。来年にはサイトの運営システムを改良し、全てのレストランの予約をウェブ上でできるようにする。スマートフォン向けアプリも生み出す予定だ。

 NSGグループ入りを契機に、6年前に客室の半分とレストランなどをリニューアルしたが、今後5年ほどをかけて残る客室なども改修を進める。

 古町芸妓(げいぎ)の舞と夕食がセットになった宿泊プランなど、古町地区にある立地やホテルの歴史を生かしたプラン、イベントの開発にも力を入れる。

 イタリア軒の売上高は非公表。新型コロナウイルス禍の影響で2021年3月期は前期比大幅減となっているが、テークアウトを中心にレストランの需要が戻りつつあるという。

 井東昌樹社長は「食や文化といった他にはない強みの発信地としたい。一流の料理店と呼ばれた時代に立ち返りつつ、敷居を低くして若いお客さまも呼び込みたい」と意欲を語った。