自動車減産の影響で県内の販売店でも納車遅れなどの影響が出ている=21日、新潟市中央区
自動車減産の影響で県内の販売店でも納車遅れなどの影響が出ている=21日、新潟市中央区

 新潟県内の9月の新車新規登録・届け出台数が、前年同月比で33・3%減の6508台にとどまったことが22日までに、北陸信越運輸局新潟運輸支局が公表した統計で分かった。世界的な新型コロナウイルス禍による部品供給の遅れや半導体不足などを背景に、自動車各社の減産が県内の自動車販売にも深刻な打撃を与えていることが浮き彫りになった。

 前年比のマイナス幅は、ウイルス禍で深刻な販売不振に陥った昨年5月の44・9%減に次ぐ水準だった。

 登録自動車は29・1%減の3420台で2カ月ぶりに減少。うち乗用車は31・9%減の2612台で、貨物車は16・2%減の642台だった。

 軽自動車は38・9%減の2957台で4カ月連続の減少となった。うち乗用車は42・3%の大幅減で2283台。貨物車は23・6%減の667台だった。

 小型二輪車は46台増の131台だった。

◆納車数か月遅れ、中古市場上昇も

 自動車の国内大手各社の減産のあおりで、県内の自動車販売各店が苦戦を強いられている。9月の県内新車新規登録・届け出台数は、前年同月比で3分の2の水準にとどまる。東南アジアでの新型コロナウイルス流行による部品調達の遅れや、長引く半導体不足を背景に、県内の自動車販売店でも数カ月単位での納車遅れが発生している。ウイルス禍の販売不振から抜け出せる兆しも見えていただけに、ディーラーからは「これ以上、影響が長引かないでほしい」と切実な声が上がっている。(報道部・阿部秀哉)

 「車種によっては1年ほど待つケースもある。納期は間近にならないと分からず、お客への説明にも苦慮している」。新潟市のあるディーラーは、来店したお客に車をすぐに売ることができない現状に歯がゆさをにじませる。

 最近の納車のペースは、全車種平均で2、3カ月ほど遅れている。「各店に試乗車や展示車を十分に用意することもできない」状態だという。

 国内自動車8社の8月世界生産台数は前年同月比17・4%減となった。東南アジアからの部品調達などは徐々に持ち直しつつあるとみられるが、9月以降も計画比での減産や生産調整が続いている。トヨタ自動車は先月、当初930万台としていた2021年度の世界生産計画を900万台と大幅に引き下げている。

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 県内の新車新規登録・届け出台数は今年3月以降、4カ月連続で前年同月を上回り、5月には4割近い伸び率を示していた。

 中間決算と重なる9月は例年、販売数が大きく伸びるものの、今年の状況は異なる。

 9月の新車登録・届け出台数は8月より3・1%落ち込み、ウイルス禍で低迷した昨年9月と比べても33・3%減の大幅ダウンとなった。感染禍前の2年前の同月に比べると約45%ものマイナス幅だ。

 県央地域のディーラーは「去年の落ち込みからようやく盛り返しを感じていたところだったが、肝心の売る車がない」と嘆く。納車遅れを見越して営業を強化しているが「ウイルス禍で訪問営業が難しいこともあり、受注は厳しい」と頭を抱える。

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 新車販売の低迷は、中古車市場にも変化を生んでいる。

 毎週、中古車オークションを行っている県中古自動車販売商工組合(JU新潟、新潟市南区)は「中古車市場への車両供給が8月ごろから減少傾向にある」と明かす。オークションに出品されるのは、買い換え時に下取りされる中古車が大半だからだ。

 最近開催したオークションでは、約1300台が競売にかけられたが、昨年に比べ台数は1割ほど減った。一方で中古車には底堅い需要があるため「出品台数の減少に伴い、取引価格が上がっている印象だ」(JU新潟)という。

 落札価格の上昇は、中古車の店頭価格の上昇につながり、消費者にもしわ寄せが及ぶ可能性がある。

 県自動車販売店協会(新潟市中央区)の小林正美専務理事は、新車供給の先行きについて「メーカーの減産を踏まえれば、年内は厳しい状況が続くのではないか」とみる。

 あるディーラーは「『車検が切れる前に車を買い換えたい』という人への納車が間に合わないことも考えられる。何らかの対応を検討していきたい」と話している。