選挙だから数とは切っても切れない。今回の衆院選でも数字にまつわる発言がいくつか話題になった

▼まずは立憲民主党代表の枝野幸男さん。期間中、政権交代の可能性を問われ「(米大リーグで活躍した)イチロー選手のいい時の打率ぐらい」と答えた。米国での最高打率は3割7分2厘だった。公示前はエンゼルスの大谷翔平選手の打率ぐらいと話していた

▼大谷選手の今季の打率は2割5分7厘なので、選挙戦に入ってから感触がよくなったのか。それにしても有権者に政権交代を呼び掛ける立場としては少しおとなしいというか、迫力が感じられない数字だった

▼もっとも、実際は政権交代には程遠い獲得議席に終わった。有権者は枝野さんの慎重な口ぶりよりも、さらに冷静な見方をしていたようだ。新潟の6小選挙区では野党系が4勝したとはいえ、政権交代というより自民・公明政権への批判の色合いが強かったのではないか

▼一方、自民党総裁で首相の岸田文雄さんは選挙の勝敗ラインについて「与党で過半数(233議席)」と話していた。自公の公示前勢力は305議席だったから、やはり控えめな感がある。ただ歴代首相が挙げるのはこの水準が相場だ。議席を減らした場合でも、責任論が高まるのを防ぐ狙いがうかがえる

▼こちらは口にした数字を上回る結果となった。追い風を得て、選挙中は控え気味だった自身のカラーを発揮できるか。現政権の仕事ぶりは未知数の部分が多い。まずは目を凝らす。お手並み拝見。