道路上にある障害物を音声で案内する支援ガイダンス装置を除雪車に取り付けた実証実験=2021年3月、長岡市今朝白2
道路上にある障害物を音声で案内する支援ガイダンス装置を除雪車に取り付けた実証実験=2021年3月、長岡市今朝白2

 除雪に関する新技術について、新潟県長岡市を中心とする産学官で検討してきた「除雪イノベーション研究会」が、議論の成果を提言書にまとめた。除雪の担い手不足の解消に情報通信技術(ICT)を使ったり、効率的に散水する仕組みで消雪パイプの節水化を図ったりすることを求めた。市は来年度、除雪車へのガイダンス装置導入を図る方針だ。

 研究会は、上石勲・防災科学技術研究所雪氷防災研究センター長を会長に長岡技術科学大の教授、日本建設機械施工協会の担当者らで構成。2019年8月から今年6月まで5回の会合を重ねた。

 昨冬はICTを活用した除雪の実証実験を行った。担い手不足が深刻化する中、経験が浅いオペレーター(運転員)でも適切に除雪できるよう、注意すべき箇所を音声で伝えるガイダンス装置を使用。参加者に対するアンケートでは、作業効率に効果があるとの回答が約7割に上った。

 一方で、ガイダンスは事前に把握した障害物以外には対応できず、「生活道路は駐停車している車両が多く難しい」「道路にせり出した樹木も感知できるといい」といった課題や要望も上がった。

 消雪パイプの節水に向けては、降雪量を感知するセンサーの設定を工夫した。通常は毎時0・2センチの降雪で散水を開始しているが、散水を始める降雪量を2倍と4倍に設定。2020年12月から21年3月にかけて試験的に実験した。結果は最大13%節水しつつ、翌朝の融雪状況は変更前と変わりなかったという。

 こうした結果を基に、研究会の上石会長は10月上旬、アオーレ長岡で磯田達伸市長に提言書を渡した。上石会長は「除雪は新技術を活用した担い手確保に努めてほしい。消雪パイプは実証実験を続けながら結果を市有施設に反映させ、節水に向けて市民への情報周知も進めてもらいたい」と求めた。

 磯田市長は「除雪車両への新技術の導入は来年度予算で進めたい。消雪パイプの節水は大きな課題で、検討を続けていく」と応じた。