来年夏の参院選に向けて体制を立て直し、有権者の支持を回復することが急務だ。新党首を選ぶ代表選を党の課題について活発に議論する場とし、再建に資するものとしてもらいたい。

 先の衆院選で敗北を喫した立憲民主党の枝野幸男代表が、引責辞任する意向を表明した。10日に召集される特別国会の閉会日に辞任する予定だ。

 枝野氏は政権交代を掲げて選挙戦をけん引したが、公示前と比べ10以上も議席を減らした。有権者の支持を得られなかった以上、辞任はやむを得まい。

 立民は国会議員に加え、党員らも投票に参加する代表選を年内に行いたいとしている。既に候補者名も取り沙汰され、内外の視線は新代表が誰になるかに移っている。

 再出発のためにまず必要なのは新代表を目指す人たちが衆院選の戦いぶりや戦略をきちんと総括し、自らの考えを代表選で問うことだろう。

 その眼目となるのが野党共闘の在り方だ。

 衆院選では289小選挙区の4分の3で自民、公明両党の与党公認候補と、立民、共産、国民民主、社民の4野党一本化候補が争う展開となった。多くでれいわ新選組も共闘した。

 しかし立民の議席拡大には結び付かなかった。敗因について共産との共闘を理由に挙げる見方が目立つ。枝野氏に対し、立民の支持団体である連合の芳野友子会長は「戦いづらかった。総括すべきだ」などと語った。

 立民の比例議席が62から39へと大幅に減少したことを巡っては、党内からも「共産への反発で逃げた票が多い」などの声が上がっている。

 だが選挙で自公の堅固な枠組みに対抗する上で、野党がバラバラでは勝機が見いだしにくいのが現実だ。

 本県小選挙区では野党共闘が勝ち越した。全国的には共闘が奏功し、自民の大物を落選に追い込んだ選挙区もあった。前回衆院選では結党直後の立民は有権者の注目度も高く、それが躍進を支えた面もあろう。

 「共産のせいで負けた」とでも言うような結論付けは、安易過ぎるのではないか。

 参院選を控える中で求められるのは共闘の功罪を丁寧に分析し、教訓を次に生かすことだ。

 立民が風やムード頼みから脱し本気で政権交代を目指すなら政策立案能力をもっと磨き、課題として指摘されてきた党組織の足腰の強化についても力を入れる必要がある。

 今回の衆院選では、共闘を組まなかった日本維新の会が大きく躍進した。衆院選後、共闘を組んでいた国民は野党国対委員長会談の枠組みから離脱する方針を決めた。

 憲法改正を訴える自民党や維新などの「改憲勢力」の議席数も、国会発議に必要な定数の3分の2を維持した。

 立民は与党に対峙(たいじ)する野党第1党だ。政権の監視役として責任は重い。その役割を果たすためにも、代表選を機に足元を見つめ直さなければならない。